Tara Fuki _Piosenki Du Snu_ (Indies, MAM153-2, 2001, CD) - 1)Czekam 2)Piosenka 3)Noce Zle 4)Tango 5)Pada 6)Sen 7)Cien 8)Widze, Widze 9)Spalilo Sie 10)Kolysanka - Recorded & Mixed 2001/8/26-9/2. - Andrea Konstankiewicz (violincello,vocals), Dorota Blahutova (violincello,vocals) Tara Fuki _Kapka_ (Indies, MAM214-2, 2003, CD) - 1)Cichy Placz 2)Kapka 3)Poust 4)Moditba 5)Daj Mi Znac 6)Senna 7)Oci 8)V Dymu 9)Okamzik 10)Na Iace - Recorded 2003/8/4-8. - Andrea Konstankiewicz (violincello,vocals), Dorota Blahutova (violincello,vocals); Mario Buzzi (sampler). チェコはモラビア地方の中心都市ブルーノ (Brno, Moravia, Czech rep.) を拠点に 1990s末から活動する女性2人組 Tara Fuki は、2作目のアルバムをリリースした。 2作とも、抑制の効いたところに緊張を感じる cello の歌い弾きが楽しめる佳作だ。 歌いながらの cello の duo という若干変則的な編成で、solo に近いミニマルな 印象を受ける。folk 的なニュアンスのある曲を、少々テンション高めの演奏で 弦楽器を弾きながらワードレスな部分の多い歌を歌うという点でも、1980s から Brno のシーンで活躍する Iva Bittova との共通点を強く感じる。澄んだ響きと いうより濁った音でゴリゴリ弾くような展開で、緊張感を出している場合が多い ように思う。violin ではなく cello ということで音が弦の音も低めで、歌唱も 強く歌うときは低音を使うことが多い。張り詰めたというより、押し殺したような 緊張感だ。 Konstakiewicz がポーランド系 (Polish) だということで、1st アルバムでは 歌詞にポーランド語が採用されている。2nd では、フランス語とチェコ語の歌詞が 1曲ずつ、架空の言語 "Tara Fuki" によるものが2曲になっている。ポーランド語 を歌詞に採用したもの、アイデンティティの問題というより語感というか音の 響きを重視したためというし、実際に聴いていても、ワードレスな歌唱に近い ように思う。それは面白いのだけど、2人の声質がかぶるところがあって、 そこはちょっと惜しい。 2nd での新展開は、ゲストによるものであるが sampler を導入している。 "Oci" のようなに打ち込みのリズムを流している曲もあるが、効果音を入れたり ライヴ・エレクトロニクスな音弄りがメインで、それほど印象を覆すほどではない。 "Oci" は歌詞もフランス語で語の響きもかなり違うので、アルバムの中でも強い アクセントにはなっている。そういう曲も悪くは無いが、ライヴ・エレクトロニクス 的な音弄りの方が、新展開としては筋が良いように感じられる。 Brno は、1980s から活動する Iva Bittova や Pavel Fajt が率いていたバンド Dunaj の元メンバーなどを核に "alternative" と呼ばれるようなシーンが展開 しており、Boo、Rale、Metamorphosis、Slede, Zive Slede といったバンドが 出て来ている。Tara Fuki の Konstankiewicz は、Boo のメンバーでもあり、 Slede, Zive Slede にもゲストで参加している。 sources: Tara Fuki, http://www.tarafuki.cz/ Indies, http://www.indiesrec.cz/ "Interview with Tara Fuki" on _Tamizdat_, http://www.tamizdat.org/article.php?id=122 2003/11/30 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/