Kontrabando _Cargo_ (Libra Music, LM026-2, 2003, CD) - 1)Figame (We Set Off) 2)Aroma 3)Prima Vista 4)Tora Fovame (Now I Am Afraid) 5)Nostalgia 6)Lelile 7)Fortio (Cargo) - 1st Part 8)Fortio (Cargo) - 2nd Part 9)Nichta (Night) 10)To Deka To Kalo (The Ten Of Diamonds) 11)Perasina (Passage) 12)Os Tin Akri (To The Edge) 13)Anemos (Wind) - Recorded 2002/7-11. - Alkis Zopoglou (kanun), Giannis Kapetanakis (rum kemence (lyre)), Sakis Giorgou (oud,voice,cubus), Giannis Damalis (voice), Dimitris Sintos (guitar,keyboard,laguto,voice), Giorgos Deligiannis (violin), Kostas Papanikolaou (contrabass); Vangelis Karipis (bongos,shaker,stamna,big bell,bendir,req,daul,cymbals), Nikos Sidirokastritis (drums), Giorgos Zahariou (clarinet), Giorgos Pagozidis (darbukas), Dionisis Kotaridis (cello), Kostas Theodorou (contrabass). ギリシャ (Greece) 北部のテッサロニキ (Thessaloniki) の東にある港町 カヴァラ (Kavala) 出身のバンドのデビューアルバムだ。ギリシャを中心に バルカン (Balkan) 南部から東地中海にかけての伝統的な音楽に基づく曲を やっているが、いくつかの歌詞を除いて自作自演のバンドだ。7人のメンバーの うち2人は1980年生であり、若いミュージシャンが目立つバンドだ。 このバンドが気にいっているのは、jazz や rock の影響も感じるリズムの シャープさは残しながら、伝統楽器の音色をとてもよく生かしているところだ。 伝統的な要素と jazz や rock の要素の組み合わせの場合、節回しやリズムに 伝統的なものの影響を感じさせるもののリズム隊が普通の drums に electric bass で音色が jazz rock 的 (例えば Iasis や Mode Plagal とか) で、funky で 良く感じる時もあるが、ちょっと古くさく感じる場合も少なくない。しかし、 このバンドは、そういう音は控えめに。リズムを刻む楽器も伝統的な打楽器や 撥弦楽器 (kanun) を多めにフィーチャーし、伝統的な弦楽器を中心とした アンサンプルの音色を生かしている。それが、もっとも気に入っているところだ。 こういうアコースティックな音作りは Savina Yannatou & Primavera En Salonico とも共通するところが感じられるし、最近の流行のようにも思うが。 歌がフィーチャーされる曲が5曲あるのだが、その歌声も気に入っている。 歌手は特に固定されていないのだが。一歩間違うとクドくなるぎりぎり手前 くらいにメリスマを効かせて渋めに歌う、その加減が良い。特に、"Aroma" と "Lelile" を歌っている Sakis Giorgiou の哀愁を感じる歌い方がとても気に いっている。彼にもっと歌って欲しかったように思う。 sources: Libra Music, http://www.libramusic.gr/ Kontrabando, http://www.kontrabando.gr/ 2004/03/14 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/