De Amsterdam Klezmer Band & The Galata Gypsy Band _Katalofti_ (Kalan, 2003, 285, CD) - 1)Katakofti 2)Harmandali 3)Soski 4)Der Terkishe Yale Ve Yove 5)Didem 6)Bambi Cafe 7)Magnificent Seven 8)Elfje 9)Moya Raba 10)On The Fly 11)Tulum Havasi 12)Di Naie Chuppe 13)Limonchiki 14)Bahriye Ciftetellisi - Recorded 2002/12/22-25. Produced by Gijs Levelt, Melih Duygulu, De Amsterdam Klezmer Band & The Galata Gypsy Band. - De Amsterdam Klezmer Band: Janfie van Strien (clarinet), Gijs Levelt (trumpet), Job Chajes (alto saxophone,vocals), Joop van der Linden (trombone,bariton,percussion), Theo van Tol (accordion), Jasper de Beer (doublebass,guitar-banjo), Alec Kopyt (percussion,vocals); The Galata Gypsy Band: Goksel Zurna (clarinet,percussion), Selami Koraali (violin), Hicret Onat (kanun), Mehmet Yerkabartan (ud), Remzi Urundulcu (darbuka,davul). オランダのアムステルダム (Amsterdam, Netherlands) を拠点に活動し、BVHaast や Knitting Factory からもリリースがある De Amsterdam Klezmer Band (AKB) と、 トルコはイスタンブール (Istanbul, Turkey) の The Galata Gypsy Band (GGB) が 共演したアルバムだ。 Klezmer (東欧出身のユダヤ (Jewish) の音楽) のバンドとジプシー (Gypsy) バンド の共演といえば、以前にもSerbia の Gypsy バンド Boban Markovic Orkestar を ゲストに迎えた Frank London's Klezmer Brass Allstars, _Brotherhood Of Brass_ (Piranha, CD-PIR1683, 2002, CD) があったが、brass band 色が薄いこともあり、 かなり違った仕上がりが楽しめる。 複合拍子はジプシーというかトルコが濃いのだが、上に乗る clarinet の節回しは むしろ Klezmer 的だろうか。東地中海的な雰囲気もある撥弦楽器 kanun の はじけるような弦の音も気持ちよいし、Rembetika 風の "Soski" や "Moya Raba" などは Savina Yannatou の取り上げたセファルディ (Sephard) の歌にも共通する ところを感じる。もちろん、バルカン (Balkan) のブラスバンド風の曲もある。 最も気に入っているのは、kanun や violin、guitar-banjo といった弦楽器をメイン にフィーチャーした "Tulum Havasi"。弦の緊張感ある掛け合いが気持ちよい。 バルカンブラスバンド的な勢いのある音なら、オープニングの "Katakofti" だろうか。"Bambi Cafe" と "Magnificient Seven" のように AKB と GGB の要素を 巧く混ぜ合わせたような曲も気に入っている。 そんな感じで、バルカン 〜 東地中海のモザイク感のある音が楽しめる秀作だ。 このアルバムをリリースしている Kalan はイスタンブールのレーベル。ビンテージ 録音のリイシューをする一方で、この AKB と GGB のの共演盤のようなポップでは ないが同時代的な面白い試みをリリースしている興味深い独立系レーベルだ。 Ada レーベルとも共通するテイストがあり、最近のイスタンブールの新しい動きの 一翼を担っているともいえる。 少し前のリリースだが、Kalan からのリリースで面白いものを、もう一枚紹介。 Balkan Messengers _Balkan Messengers_ (Kalan, 2001, 222. CD) - 1)Anadolu Kocek 2)Arap Oyun Havasi 3)Protet 4)Kasap Oyun Havasi 5)Kircaali Ricinitza 6)Neskhova Kopanitza 7)Balkan Kocek 8)Balkan Messengers 9)Dilmano 10)Bruxgaria 11)Azeri Potbori 12)Roman Oyun Havasi - Recorded 2001. - Nedim Nalbantoglu (violin), Neskho Neshev (accordion), Radi Kazakov (bass guitar), Jan Kazakov (drums). Okay Temiz や Ivo Papasov と共演のあるトルコの violin 奏者 Nalbantoglu と、 ブルガリア (Bulgaria) のジプシー Ivo Papasov のバンドの accordion 奏者 Neshev、 1990年前後の頃の Ivo Papasov のバンドの bass 奏者 Kazakov らのバンドが、 Balkan Messengers だ。複合リズムや節回しはバルカンのジプシー音楽だが、 jazz rock 的にも感じるドライブ感が気持ちよい作品になっている。 Ivo Papasov の _Panair (Fairground)_ (Kuker, KM/R07, 2003, CD) は、Kazakov の fletless bess が抜けて良くなったように思ったのだが。この Balkan Messengers では、Kazakov が曲にドライブ感を作りだしているように思う。Nalbantoglu や Neshev の早弾きに負けずに、むしろぐいぐい曲を引っ張っている。そこが気に 入っている所だ。 ちなみに、ライナーノーツによると、Neshev も Kazakov も今はブルガリアでは なくトルコに住んでいるそうだ。 sources: Kalan, http://www.kalan.com/ De Amsterdam Klezmer Band, http://www.amsterdamklezmerband.nl/ Nedim Nalbantoglu, http://www.creative-music-of-east-europe.com/tur01en.htm 2004/06/06 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/