David Yengibarjan with Frank London _Pandoukht_ (Budapest Music Center, BMCCD087, 2003, CD) - 1)Ouverture 2)Berd Par 3)Hoy Noubar 4)Ararat 5)D'le Yaman 6)Golem Khosidl 7)Pandoukht 8)Liliputien 9)Meron Nign - Recorded 2003/1. - David Yengibarjan (accordion), Frank London (trumpet), Jozsef Horvath Barcza (bass), Andras Des (percussion); Gabor Gado (guitar) on 3,4,5,6,9. アルメニアはエレバン (Yerevan, Armenia) 出身だが現在はハンガリー (Hungary) を 拠点に活動する accordion 奏者 David Yengibarjan と、NY の Klezmer (東欧系 ユダヤ人 (Jewish) の音楽) リバイバルの中心的なミュージシャン Frank London とが共演したアルバムだ。リリースは、ハンガリーはブダペスト (Budapest) の jazz / classical のレーベル Budapest Music Center から。 アルメニアの伝承曲を元にした曲を3曲、ユダヤの伝承曲を元にした曲を1曲演奏して いるのだが、そういう音楽性を生かしたというより、バルカン (Balkan) 〜 アナトリア (Anatolia) 風の tango / mussette とでもいう無国籍風の仕上がりになっている。 Balkan tango といっても、セルビア (Serbia) の Boris Kovac & LaDaABa Orchest による _The Last Balkan Tango_ (Piranha, CD-PIR1573, 2001, CD) などもあり、 全く無いアイデアではない。Balkan を核とした雑食音楽といえば、3 Mustaphas 3 などもあった。しかし、この作品は、それらとは違う。 sax や clarinet ではなく trumpet が accordion と掛け合っていること、そして リズムを刻む darbuka や frame drum の硬質な響きが、この作品では耳を捉える。 ちなみに、percussion の Des は Erik Truffaz とも共演している Off Cource の メンバーであり、electrica meets Gypsy のプロジェクト Mitsoura にも参加している 音を多く重ねることなく、残響を生かしつつも trumpet や darbuka のシャープな 音を配した音作りが、引き締まった印象を与えてくれる。無国籍風といっても、 雑食的な面白さとは違う、むしろ post-ECM 的な制作が美しい作品に仕上がっている。 それが、僕がこの作品を気に入っている一番の点だ。 sources: Budapest Music Center, http://www.bmc.hu/ Frank London, http://www.franklondon.com/ 2004/08/18 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/