Bombes 2 Bal _Danse Avec Ta Grand-Mere_ (Tot Ou Tard, 8345 10520 2, 2004, CD) - 1)Chat Perche 2)On Adore Le Forro 3)Malhador 4)J'Aime Bien Les Garcons 5)Auei Dimenge 6)Parler Patois 7)Pourquoi Faut-Il? 8)La Voiture 9)Nordeste/Occitania 10)Lo Ben E Lo Mal 11)Demain Vacances 12)Escotich De Magali 13)Le L'Ai Dit 14)Champion 15)Digus 16)Tu M'Embetes - Co-realise par Claude Sicre et Sodi. - Bombes 2 Bal: Aurelie Neuville (chant,triangle), Magali Brunel (chant,agogos), Lise Arboil (chant,tambourin), Martine Lataste (accordeon), Romain Magnes (zabumba,alfaia); etc. 南仏オクシタニア (Occitania) はミディ=ピレネー (Midi-Pyrenees) のトゥールーズ (Toulouse) で Aurielie Neuville と Lise Arboil を中心に結成された女性4人男性1人 (クレジットでは。ジャケットでは女性5人男性1人) のバンドだ。南仏の伝承曲を ベースにした曲もあるようだが、"Nordeste/Occitania" という曲にも象徴的なように、 ブラジル (Brazil) のノルデスチ (Nordeste) 地方の音楽 forro の要素を大きく 取り入れた音楽をやっている。 歯切のいい accordion の演奏と、triangle や tambourin の刻むリズム、そして がやがや賑やかな感じすらある女性4人のリズミカルな歌唱が産み出す、ノリの良い 2ビートがとても楽しい作品だ。PAなしでストリートでやっても十分に楽しめだろう。 タイトルも「おばあちゃんとダンス」だ。 しかし、全くのアコースティックで伝承的な作品ではなく、現代的な要素も十分に 昇華している。あからさまに club music 的な音処理を加えていないが、dub 的な 音処理がうまく底を支えている。特に、さりげなくしっかり入ったベースラインが、 このバンドのグルーブ感を支えているように思う。"Malhador" や "Lo Ben E Lo Mal" のダウンテンポでちょっとダブワイズな曲など、1990年代を通過した音だとも思う。 その消化の具合も気に入っている。 このバンドは、トゥールーズを拠点にオクシタンの音楽を現代的に蘇らせる試みを しているバンド Fabolous Trobador の Claude Sicre のバックアップで出てきた バンドで、制作だけでなく曲の多くを Sicre を提供している。Fabolous Trobador 関連といえば、1990年代後半にトゥールズから出て来た女性2人組 Femmousez T も accordion / tambourin でオクシタニア/ブラジル混成で、Bombes 2 Bal と似た音楽性 を持ったバンドだった。ノルデスチの音楽のルーツの一つは、オクシタンの吟遊詩人 トロバドール (trobador) の音楽ということもあるのだろう。 Bombes 2 Bal 関連ということでこのアルバムも紹介。 Fabulous Trobadors _Duels De Tchatche Et Autres Trucs Du Folklore Toulousain_ (Tot Ou Tard, 8345 10513 2, 2003, CD) - 1)Bonne Nuit 2)Ami 3)Ca C'Est Oui! 4)Toulousain 5)Si Tu Te Fais 6)Oiaiaia 7)Demain, Demain 8)Y'A Des Garcons 9)Duel De Sans-Pareil 10)Doman 11)Il Nous Ment 12)L'Anniversaire 13)Anam Cantar - Enregistre, mixe et realise par Sodi. - Fabulous Trobadors: Claude Sicre (voix,timbrel,flute,tympanon pyreneen), Jean Marc Enjalbert (voix,tambourin,human juke box,programmation,samples); Sivald Jose Cavalcant, (pandeiro,zabumba,triangle,eggs), Romain Magnes (zabumba), Aurelie Neuville (triangle,choeurs), Lise Arbiol (choeurs), Magali Brunel (choeurus), etc 1年ほど前にリリースされたこの Fabulous Trobadors のアルバムは、全13曲中 10曲にBombes 2 Bal の Arboil、Brunel、Neuville がコーラスでそれもかなり 大きくフィーチャーされている。そのため、今までの Fabulous Trobadors と比べて ぐっと賑やかな印象を与える作品になっている。 低い男性の声と高い女性の声の両方が聴こえるので、今までの作品よりも、様々な 位置の声が聴こえるように感じられる。これが、この作品を気に入っている点だ。 このアルバムでは、女声はあくまでコーラスだが、Sicre と Enjalbert のような 位置関係で男女の声が入ったものが出て来たらもっと面白くなるようにも思う。 tambourin の刻むリズムに Sicre と Enjalbert が rap に近い歌唱を乗せるもの だが、Bombes 2 Bal に比べ accordion が控えめで、しっかり入ったベースラインは forro よりも raggea の要素を強く感じる仕上がりだ。 sources Tot Ou Tard, http://www.totoutard.com/ Fabulous Trobadors, http://www.fabulous-trobadors.com/ 2004/11/23 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/