Konono No.1
_Congotronics_
(CramWorld / Crammed Discs, CRAW27, 2004, CD)
- 1)Lufuala Ndonga 2)Masikulu 3)Kule Kule 4)Ungudi Wele Wele 5)Paradiso
6)Kule Kule Reprise 7)Mama Liza
- Produced, Recorded and Mixed by Vincent Kenis.
- Mawangu Mingiedi (likembe), Mawangu Makuntima (likembe),
Dodika Kungu (bass likembe), Lulendo Arumba (percussion),
Nzimbu Kuavita (tam tam), Kanda Mateta (percussion),
Andre Kiala, Luti Misamu, Mankueno Ntumba, Lubuya Ngalula,
Miezi Mankala (dancers), Buaku Ngingulu (president);
Shora Mbonda (percussion), Fofana (drum kit) on 5.

Konono No.1
_Lubuaku_
(Terp, AS09, 2004, CD)
- 1)Zeyisalangayizama 2)Ditshe Tshiekutala 3)Ku Hollande 4)Mokanda Mbuta
5)Kulekule 6)Libala Mbanda / Konono Wawawa 7)Ngudi Vakanda / Lufua-Luandonga
- Recorded live 2003/2/5.
- Mingiedi "Le Fondateur" Mawangu (likembe solo),
Makuntima Mawangu (likenbe 2e solo,accompaniment,vocals,percussion),
Kabuika Nsekula (likembe bass,percussion), Menga Waku (vocals),
Makananu Georges (vocals), Kuavita Nzimbu (bells,likembe accompaniment),
Kungu Dodika (conga's ngoma), Arumba Lulendo (metal percussion),
Nzuzi Mbuka (dance,vocals), Misamu Luti (dance), Ntumba Mankueno (dance),
Buaku "Le President" Ngingulu (dance).

Konono No.1 は中部アフリカの大国コンゴ民主共和国 (旧称ザイール, Zaire) の
キンシャサ (Kinshasa) 郊外から出てきたバンドだ。1970年代後半から活動している。
メンバーは、もともとコンゴとアンゴラ (Angola) の国境地帯が出身のようで、
バゾンベ (Bazombe) という部族に属するようだ。

この地域のポピュラー音楽といえば Papa Wemba 等で知られる Zairean Rhumba だが、
彼等の音楽はそれとは異なる。短周期の反覆が繰り返えされるトランス音楽に近い。
といっても、伝統的なアコースティックなものではない。メインに用いられている
楽器は親指ピアノ (likembe) なのだが、廃車から回収した部品などを使っての手製の
電化が施され、歪んで割れたようなビンビンビリビリいう音を鳴り響かせている。
パーカッションも伝統的なものも用いられているが、やはり、車のホイールカバー
等の廃品類が流用されている。このような楽器・機材の出すジャンクな音質と、
トランス音楽らしい反覆感の組み合わせは、現代的な泥臭さを感じさせてくれて
とても面白い。

ちなみに、Radio France (France Culture) による Konono No.1 の1970年代の
録音が_Zaire: Musiques Urbaines A Kinshasa_ (Ocora, C559007, 1985, CD) で
聴くことができる。そこで聴かれるのは、今と変わらない演奏だ。このような
スタイルが変わらない点は、ある表現に対するアンチテーゼとして生まれた実験的な
表現として発生したわけではなく、むしろ自然発生したものだと想像される。

Radio France で を聴いた Crammed Discs の Vincent Kenis は、彼の参加した
Zazou / Bikaye / CY1, _Noir Et Blanc_ (Crammed Discs, CRAM025, 1983, LP) の
中で Konono No.1 に影響を受けた guitar フレーズを聴かせている ("Dju Ya Feza")。
今聴き直すと、David Byrne / Brian Eno, _My Life In The Bush Of Ghosts_
(Sire / Editions EG, 1982) 風の端正な作品の中では、面白い音になっている。

その後、Konono No.1 はほとんど解散状態になって、メンバーもコンゴやアンゴラへ
ちりぢりになっていたが、2000年にリーダーがキンシャサに戻り活動を再開した、
ということだ。

僕がこのバンドを知ったのは、オランダ (Holland) の punk / avant rock バンド
The Ex のニュースレターを通して。2000年以降、The と一緒に欧州ツアーする
ことがあったので、気になっていた。ライブ盤 _Lubuaku_ は、Terrie Ex (The Ex)
のレーベルからリリースされている。初めて音に接したのがこの盤だったこともあり、
割れた親指ピアノの音はライブ録音の悪さのせいだろうと最初思っていた。
そして、この盤で使われている写真では、メンバーはいかにも African Pop バンド
風の洒落た服を着ている。そんなこともあって、CramWorld 盤では洗練された
African pop 風の音作りになるだろうと予想していた。よい意味で予想を裏切ら
れたように思う。

sources:
Crammed Discs, http://www.crammed.be/
Konono No.1, http://www.crammed.be/konono/
The Ex Newsletter 12, 2003, http://www.theex.nl/news12.htm
Christopher Porter, _The Surburbs Are Killing Us_ 2005/1/11,
    http://www.christopherporter.com/2005/01/konono-no.html

2005/02/05
嶋田 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/