Lucilla Galeazzi / Vincent Courtois / Michel Godard _Trio Rouge_ (Intuition, INT3353-2, 2004, CD) - 1)Bella Ciao 2)Voglio Una Casa 3)Par Vita Bella 4)Ah, Vita Bella 5)La Luze De Oro 6)C'era Una Volta 7)Una Serenata 8)Stornelli A Saltarello 9)Per La Ninna Nanna 10)La Muntagnella 11)La Tarantelle Translucida 12)Per Gorizia 13)Gorizia 14)Rosso - Recorded 2003/1/10-11. Produced by Ralf Dombrowski. - Lucilla Galeazzi (vocals), Vincent Courtois (violincello), Michel Godard (tuba,serpent). Lucilla Galeazzi はイタリア (Italy) の folk/roots に近い文脈から出てきた 女性歌手だ。jazz 界隈での活動もあり、特に、Banda Citta Ruvo Di Puglia, et al, _La Banda_ (ENJA, ENJ-9326-22, 1997, 2CD) や Michel Godard, _Castel Del Monte_ (ENJA, ENJ-9362-2, 2000, CD) で、素敵な歌声を聴かせてくれていた。Godard の 参加という点も共通しているが、ここでも "Une Serenata" を歌っているという 点で_Trio Rouge_ はそれらの活動の延長にある。全2作よりバックをミニマルにし、 彼女の歌声を大きく引き出している。軽くメリスマを効かせているが folk 的と いうにはあっさり目だが、ハイトーンに伸びる感じが気持ちよい。Galeazzi の 歌声が堪能できる佳作だ。 歌っているのは、伝承曲と自作曲が半々。ちなみに、"Bella Ciao" や "Gorizia" はレジスタンス運動の際に歌われた抵抗歌で、Trio Rouge (赤いトリオ) という タイトル (及びバンド名) も、それに因んで付けられたとのこと。全体として 強く歯切よく歌うような曲が多くなっている。そんな中に、"Una Serenata" や "La Luze De Oro" のようなゆったりした曲が入っているのも、良いアクセントに なっていると思う。 Godard も Courtois もフランス (France) の jazz / improv. シーンで活躍して きたミュージシャンで、時折、かなりアウトで抽象的な展開を聴かせてくれる。 tuba と violincello という変則的な組み合わせによる、単純に伴奏するわけ ではない癖のある演奏が良いアクセントになり、単なるメロディアスな歌物以上の 仕上がりが楽しめる。そこも気に入っている。彼女の声質と tuba と violincello の端正な音色が、少々 classical 的に過ぎるように感じる時があるのが惜しい所か。 sources: Intuition, http://www.schott-music.com/shop/php/Proxy.php?purl=/intuition/ Lucilla Galeazzi, http://www.lucillagaleazzi.com/ Michel Godard, http://www.michelgodard.fanspace.com/ Vincent Courtois, http://vcourtoi.club.fr/index.html 2005/03/06 嶋田 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/index.html