Ana Da Silva _The Lighthouse_ (Chicks On Speed, COSR13CD, 2004, CD) - 1)Friend 2)Two Windows Over The Wings 3)Running In The Rain 4)The Lighthouse 5)Hospital Window 6)Modinha 7)In Awe Of A Painting 8)Sister 9)Disco Ball 10)Climbing Walls - All songs written, performed and recorded by Ana Da Silva except 6. - 6) Written by V. de Moraes and A. C. Jobim. Stuart Moxham (harmonica,keyboards), Ana Da Silva (vocals,12 string guitar). 1980年前後の UK post punk の中から出てきた女性バンド (一時、男女混成) The Raincoats のメンバーだった Ana Da Silva がソロをリリースした。 リリースは、1990年代の electronica を通過したセンスで B-52's や Delta 5、 Tom Tom Club などの post punk 期の名曲をカバーしているドイツはミュンヘン (Munich, Germany) の女性3人組 Chicks On Speed のレーベルだ。といっても、 Chicks On Speed は音作りには参加しておらず、彼女らの音のような punk 的な ノリは無い。 minimal techno / deep house 以降を感じさせる脈動的なリズムと、音数少なく 辿られる素朴な旋律からなるミニマルな背景は、Morr Music レーベルの Lali Puna あたりを連想させられる。 しかし、Da Sliva の歌声は独得だ。多重録音で声を複数の声を重ねていることも あると思うが、特にタイトル曲 "The Lighthouse" をはじめ "Runnign In The Rain" や "In Awe Of A Painting" で聴かれるような不安定な歌唱などを聴いていると、 electronica な The Raincoats のようだ。そして、そこがとても気に入っている。 といっても、Gina Birch (The Raincoats) の鼻にかかった甘い声は無い。 Da Silva のさらっとした声で歌われる旋律は起伏が少なく、アップテンポの 曲も無く、淡々とした展開のあっさりとした仕上がりだ。そして、そこが気に 入っている。 Da Silva 一人が多重録音で制作しているのだが、1曲、Young Marble Giants (The Raincoats と同時期に出てきた post punk のバンド) の Stuart Moxham が 参加している。それも、演っているのは、Antonio Carlos Jobim の "Modinha"。 この曲だけ打ち込みで無い上、Moxham の弾く keyboards の響きも沈鬱な感じで、 とても引っかかる。それも良いアクセントになっているように思う。 sources: Chicks On Speed Records, http://www.chicksonspeed-records.com/ Ana Da Silva / The Raincoats, http://www.roughtrade.com/docs/raincoats.htm 2005/03/13 嶋田 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/index.html