Stelios Petrakis / Bijan Chemirani _Kismet_ (Buda Musique, 860110, 2005, CD) - 1)Gorgona (La Sirene) 2)Goftegou (Conversation) 3)Matta Zeybegi 4)Efhi (Wish - Woeu) 5)Kavo Sideros 6)Ta Poulia (Les Oiseaux - The Birds) 7)Syrtos 8)Jurjuna 9)Yazdah Pol 10)Reng E Petras - Stelios Petrakis (lyra,lute,kopuz,lute from Istanbul,bulgari,saz,cura, backing vocals), Bijan Chemirani (zarb,daff,cajon,bendir,udu,guatam,voice), Giorgis Xylouris (voice,lute), Haris Lambrakis (ney), Henri Tournier (octobass,bansuri,bass flute), Maria Simoglou (voice), Ross Daly (tarhu), Hammid Khabazi (tar). ギリシャはクレタ (Crete, Greece) の lyra 奏者 Petrakis と、イラン (Iran) 出身の zarb のマスター Cjamchid Chemirani の子で欧州を拠点に活動する Bijan Chemirani のプロジェクトの新録だ。クレタの伝統的な音楽に基づくもの という点で、Stelios Petrakis, _Akri Tou Dounia_ (L'Empreinte Digitale, ED13169, 2003, CD) の続編と言える内容だ。その前の Bijan Chemirani, _Eos_ (L'Empreinte Digitale, ED13147, 2002, CD) や Ross Daly & Chemirani Trio の 作品とも繋がる作品と言えるだろう。 Stelios Petrakis, _Akri Tou Dounia_ でも歌っていた男性歌手 Xylouris が 3曲で歌っている。彼のしゃがれた男性の歌声を相変わらず渋くて良いのだが、 この作品は女性歌手 Simoglou の参加 (3曲) によって華やかになった。 (Eleftheria Arvanitaki を少し思わせる) 癖の少ないハイトーンの歌声が軽めの メリスマで哀愁を感じるようなギリシャ島嶼部を思わせる旋律を歌うのが良い。 特にアップテンポの "Efhi" や "Ta Poulia" が良い。ほとんど録音をしていない 女性歌手のようだが、是非、この顔合せでアルバムを作って欲しい。 あと、Lambrakis (Savina Yannatou & Primavera En Salonico) に加え Tournier の bansuri や flute が加わり、管楽器の音色がぐっと表に出るようになった。 2管の duo "Goftegou" のような曲もある。これも、弦 (lyra) か打 (zarb) か という感が強かった今までの作品にくらべて、音の幅が広がって良くなった ように思う。 確かに、ダウンテンポの曲でだれるように感じる所もある。オリエントというか インド〜イラク的な音楽要素は聴かれるものの、_Eos_ でやったようなアフリカ的な 要素も加えて、より地中海音楽っぽいアプローチをして欲しいようにも思う。 しかし、Simoglou の歌や管の音色も良い佳作になっていると思う。 sources: Stelios Petrakis, http://www.steliospetrakis.com/ Buda Musique, http://www.budamusique.com/ Bijan Chemirani, _Eos_ のレビュー, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/CdD/03090701 Stelios Petrakis, _Akri Tou Dounia_ のレビュー, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/CdD/04111301 2005/08/16 嶋田 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/index.html