Niou Bardophones _Air De Rien_ (Buda Musique, 860115, 2005, CD) - 1)Dansed Breman 2)Carre Carcassien 3)Love Cry / Les Mots Jettent 4)Kutahya'nin Pinarlari 5)Takssim 6)Le Pole K / Air De Rien 7)Bugale 8)Longa 9)Kas Ha Guenaoua - Recorded 2004/12. - Ronan Le Gourierec (baritone saxophone), Pierre-Yves Prothais (drums), Guenole Keravec (bombarde,trelombarde), Erwan Keravac (cornemuses). フランス (France) 北西部ブルターニュ (Bretagne) の cornemuse (bagpipe,gaida) と bombarde (伝統的な oboe 風管楽器) からなる伝統的な大編成バンド bagad と 南西部ガスコーニュ (Gascogne; 現在のアキテーヌ (Aquitaine) とミディ=ピレネー (Midi-Pyrenees) 西部) の jazz big band が合体した L'Occidentale De Fanfare という big band がある (_Hopopop_ (Daqui, 332021, 2004, CD) というリリースも ある)。そのバンドのブルターニュ側のメンバーである Ronan Le Gourierec と Erwan Keravac が参加した bagad 風 jazz quartet が Niou Bardophones だ。 "musique traditionnelle imaginee" という副題だが、folk/roots 色はそれほど 濃くはない。"Love Cry" 自体は比較的落ち着いた曲だが、Albert Ayler の曲を演奏 していることからも判るように、free jazz 風にパワフルに吹まくる bombarde、 cornemuse や saxophone、それを煽る drums が壮快な作品だ。doublebass がいない だけに、cornemuse がドローンを吹いたり、baritone saxophone がブリブリと ベースラインを取ったりする、その低音部の取り合いも気持ちよい。もちろん、 folk/roots 風の展開も飛び出すソロも良い。 あえて惜しい所を挙げれば free jazz 的な演奏にしてはリズムが少々単調な所か。 しかし、アルモリカ (Armorica、ブルターニュからノルマンディ (Normandie) に かけての古称) のロンド (rondo) をベースにしているというビートは、 アップテンポで疾走感を感じる所もあり悪いというほどではない。ただ、緩急ある 変拍子が緊張感を生んでいる "Dansed Breman" のような素晴しい演奏もあるだけに、 そういう演奏をもっと聴きたいのも確かだ。 パワフルな演奏の bagad 風 free jazz が楽しめる秀作だ。 sources: Niou Bardophones, http://www.geocities.com/ekeravec/nioubardophones.html Erwan Keravac, http://www.geocities.com/ekeravac/ Buda Musique, http://www.budamusique.com/ L'Occidentale De Fanfare,_Hopopop_ のレビュー, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/CdD/04111401 2005/08/24 嶋田 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/index.html