『じゃぽねすくの夜 その2』 (_La Nuit Japonesque II_) Super Deluxe (六本木), http://www.super-deluxe.com/ . 2005/09/16 19:30-23:30 箏奏者 八木 美知依 をメインにフィーチャーしたライヴ『じゃぽねくすの夜』の 第二回を観てきた。前回から2年ぶりだが、今年の4月にも似たような内容の 八木 がメインのライブが Super Deluxe であった。瞬発力という点では今年4月の Ingebrigt Haaker Flaten & Paal Nilssen-Love との trio のライブには及ば なかったような気もしたが、イベント全体としては2年前の第一回や今年4月の ライブより楽しめた。 Trance Koto Express: AO (real-time sound manipulation), 八木 美知依 (21絃箏, 17絃箏). まずは、4月のライブでもやった Trance Koto Express。4月の時と大きく変わらず、 あまり音が大きく動きまわるようなことは無かったし、特にライティングや パフォーマンスので演出が加わることも無かった。けれども、"Marimo" 風の 爪弾きに歌が入る所など前回より耳を捉えたところはあったように思う。 Jason Roebke (contrabass), 八木 美知依 (21絃箏, 17絃箏), 及川 キーダ (live painting). 次は Roebke & 八木 の即興デュオに合わせての 及川 のライブペインティング。 演奏が抽象的な free improv. だったこともあり、描く方も抽象表現主義的な ものになるかと思いきや、次第に具体的なディティールが浮かびあがり、仕上って みれば演奏する2人をデフォルメいっぱいで描いたイラストだった。 このあたりまでが、前座というかウォーミングアップという感じだった 酒井 俊 (vocals), 八木 美知依 (箏). 続いて、八木 の箏の伴奏による 酒井 の歌。酒井のパワフルな歌声もあって、 会場がぐっと暖まったように感じた。特に最後の2曲、犬に追われる緊張感を そのまま音にしたような童謡「四丁目の犬」(野口 雨情 / 本居 長世) から 叙情的な ソウル・フラワー・ユニオン の名曲「満月の夕」にかけてが、 最も盛り上がった。5曲しか歌わなかったが、箏の伴奏もばっちり合っていたし、 もっと聴いてみたかったように思う。 山口 小夜子 (舞,朗読), 八木 美知依 (21絃箏, 17絃箏), 生西 康典 & 掛川 康典 (映像). 最後は、2年前の『じゃぽねすくの夜』でもあった顔合せだ。谷崎 潤一郎 『陰翳礼賛』というネタはいささかベタにも感じられたが、映像とパフォーマンスの 絡みという点では、最初のときよりも 山口 の存在感が生かされていて、良かった。 特に、赤いインクを水に落していく映像が投影される中で 山口 が舞うあたりは、 まるで 山口 が血塗れになっていくような緊張感。朗読があったせいか、若干、 八木 の演奏が抑え目に感じたのが残念な所だった。 約4時間という長丁場だったが、変化もあって飽きずに最後まで楽しむことができた イベントだった。 sources: 八木 美知依, http://www.japanimprov.com/myagi/index.html Jason Roebke, http://www.jasonroebke.info/ 及川 キーダ, http://www.keeda.com/ 酒井 俊, http://www.sol.dti.ne.jp/~s-shun/ 2005/09/23 (2005/09/18) 嶋田 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/index.html