Claire Diterzi _Boucle_ (Naive, NV808011, 2006, CD) - 1)Je Me Souviens De La Neige 2)T.O.C 3)Infidele 4)Charlie 5)Sur Le Pont D'Avignon 6)Les Clins D'Oeil 7)Elle Est Du Soir 8)La Princesse Arabe 9)A Genoux 10)Sombre Dimanche 11)La Musique Adoucit Les Moeurs - Produced by Clair Diterzi and Fabien Tessier. - Claire Diterzi (voice, guitar, kalimba, chorus, programming), Tao Hiboo (programming), Fabien Tessier (programming), Boogers (prongramming), Didier Plisson (timbales), Nicolas Gaignard (cor), Sylvestre Perrusson (programming, string arrangement), Floriane Bonanni (violon 1), Martin Blondeau (violon 2), Aurelia Souvigne Kowalski (alto), Jean Claude Auclin (violoncello), Claire Touzi Dit Terzi はフランスはサントル地域圏のトゥール (Tours, Centre, France) 出身のカビリア (Kabyle) 系の女性シンガーソングライターだ。 1980年代からグループ Forguette Mi Note の女性歌手として活動しており、その後、 Dit Terzi 名義での前作 _Dit Terzi_ (Boucherie Prod., BP1481, 2000, CD) を リリース。それから約6年ぶりのリリースは、Claire Diterzi 名義でだ。 前作との間、2003〜4年には、Philippe Decoufle の舞台作品 _Iris_ の音楽を 担当し、一緒に来日もしている。 前作 _Dit Terzi_ では Gilles Martin を制作に迎え、darbuka の音使い等もあり 1980s Crammed 風とも感じる音作りをしていた。_Dit Terzi_ で programming を 担当していた Perrusson がこの作品でも参加しているし、ある意味で前作からの 延長といえる。打ち込みをメインとしたバック、エキゾチックな節回し (特に "La Princesse Arabe") や、少々エキセントリックさを強調したオーバーダブの コーラス (例えば "Je Me Souviens De La Neige") など、相変わらずだ。 しかし、_Dit Terzi_ に比べ _Boucle_ はもっと electric guitar の音を生かした 音作りになっている。Decoufle の _Iris_ の舞台音楽で多用した rock 的とも 感じた electric guitar のイデオムが、よりこなれた形で _Dit Terzi_ の音世界 に加わったのが、この _Boucle_ のようにも思う。明瞭な旋律を弾くというのと 違い、少々歪んだ音で、時に刻むように、時に漂うように、その音が織りなす テクスチャが良い。特に、浮遊するようなフレーズと刻むフレーズが多層的に 重なる "T.O.C." が気に入っている。 ちなみに、このアルバムの最後に収録されている3曲は、_Iris_ ための曲だ。 _Iris_ の中でも印象に残っている、kalimba を弾きながら繊細に歌う "La Musique Adoucit Les Moeurs" がエンディングに収録されていたのは、 とても嬉しかった。 sources: Claire Diterzi, http://www.clairediterzi.fr/ Naive, http://www.naive.fr/ Dit Terzi, _Dit Terzi_ レビュー http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/CdD/00052801 Philippe Decoufle, _Iris_ (2003) @ 神奈川県民ホール大ホール レビュー, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/DoH/03101201 2006/04/02 嶋田 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/index.html