Matson Jones _Matson Jones_ (2004; Sympathy For The Record Industry, SFTRI757, 2005, CD) - 1)Good Advice 2)N.E.S.F.T.O. 3)A Little Bit Of Arson Never Hurt Anyone 4)Welcome Back, Mr. Audiotechnica.. 5)***Italian Song 6).............Sympathy 7)Into My Arms 8)He Means Nothing, Dear. 9)////Spring Fever 9)S.E.P. Ruined My Life - Produced by Matson Jones & John K. Hruska. - Martina Grbac (cello, vocals), Anna Mascorella (cello, vocals), Matt Regan (bass), Ross Harada (drums, casio). Matson Jones は、アメリカ西部のコロラド州のフォート・コリンズ (Fort Collins, CO, USA) を拠点とする4人組の rock グループだ。2005年の時点ではまだメンバーは 大学生だ。メンバーのうち Grbac と Macsorella はコロラド州立大学 (Colorado State University) の美術科の学生で、グループの名前は、1950-60s に現代美術の 作家 Jasper Jones と Robert Rauschenberg がデパートのショーウィンドウの デザインの仕事をする際に使っていた偽名から採られている。 このアルバムはもともと自主制作でリリースしたもの。その後、カルフォルニアの 独立系レーベル Sympathy For The Record Industry が再リリースしている。 punk がかった rock のビートに少々強い感じの平板な2人の女性の歌声の掛け合い を乗せるスタイルは、メガホンを通したような少々オフな歌声の処理もあって Sleater-Kinney のような Riot Grrrl 以降の US indie rock を連想させられる。 もしくは、_Dry_ (1992) の頃の PJ Harvey にも似ている。その歌は個性的という 程でも無いが、そういう強い歌唱は好きだ。 しかし、このグループが面白いのは楽器編成だ。electric guitar や electric bass を使っていないのだ。guitar の代わりにフロントの2人が弾くののは cello だし、 bass も doublebass を使っているのだ。しかし、classical な所をほとんど感じ させず、弓弾き中心の重く歪んだ弦の響きで、electric guitar のディストーション に負けない迫力・緊張感とノリを生み出している。それが、このバンドの最大の個性に なっていると思う。特に、"Into My Arms" や "He Means Nothing, Dear" のような ドライブ感のある曲が気に入っている。もちろん、ラストの "S.E.P. Ruined My Life" のような drums 抜きの淡々とした曲も、緊張感が失われず格好良い。 cello や doublebass の弓弾きのドライブ感と、凜とした女性歌手の歌声が かっこいい US indie rock の秀作だ。お薦め。 Matson Jones _A Little Bit Of Arson Never Hurt Anyone_ (Sympathy For The Record Industry, SFTRI760, 2005, 7") - A)A Little Bit Of Arson Never Hurt Anyone B)New York City Fuck Off そのアルバムのシングルカットは "A Little Bit Of Arson Never Hurt Anyone"。 B面の "New York City Fuck Off" は、Various Artists, _Counter Culture 05_ (Rough Trade Shops / V2, VVR1037162, 2006, 2CD) に収録された。A面よりも アップテンポながら淡々とした "New York City Fuck Off" の方が、凜とした印象 を与えてくれて良いかもしれない。 Matson Jones _The Albatros Mates For Life, But Only After A Lengthy Courtship That Can Take Up To Four Years_ (Sympathy For The Record Industry, SFTRI769, 2006, CDS) - 1)Exes And Ohs 2)Sabotage 3)Dirt Sea 4)Wrecking Ball - Produced by Matson Jones & Jason Livermore. Recorded 2005/1 at the Blasting Room by Jason Livermore. そんな彼女たちが今年に入って4曲入りの single CD をリリースしている。 LA hardcore のグループ Descendents の Bill Stevenson がフォート・コリンズに 作ったスタジオ Blasting Room で録音されている。(制作は Stevenson でははく スタジオスタッフの Livermore。) drums や低音の録音や奥行き感は良くなり、"Exes And Ohs" や "Wrecking Ball" など、その迫力が出ていて良い。しかし、cello や doublebass の響きが大仰に なって、ドライヴ感が少々損なわれてしまったようにも感じる。デビュー作の ペラっとした録音のラフな感じも良かったなあ、と思ってしまった。次作は、 このあたりが課題だろうか。 sources: Matson Jones, http://www.matsonjones.net/ Sympathy For The Record Industry, http://www.sympathyrecords.com/ The Blasting Room, http://blastingroomstudios.com/ Kara Luger, "Bang und Strum", _Colorado Spring Independent_, 2005/6/23-29, http://www.csindy.com/csindy/2005-06-23/bangstrum2.html 2006/05/21 嶋田 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/index.html