Nguyen Le Duos with Paolo Fresu & Dhafer Youssef _Homescape_ (Act, 9444-2, 2006, CD) - 1)Stranieri 2)Byzance 3)Muqqam 4)Mali Iwa 5)Zafaran 6)Domus De Janas 7)Kithara 8)Chelsea Bridge 9)Safina 10)Des Pres 11)Thang Long 12)Neon 13)Mangustao 14)Lacrima Christi 15)Beyti - Recorded 2004/1-2005/12 except 2, vocal solo part of 13)Recorded live, 2005/10/22. - Nguyen Le (acoustic, fretless, synthesizer, e-bow & vietnamese guitars, computer programming & electronics), Paolo Fresu (trumpet, fluegelhorn & electronics) on 1, 4, 6, 8, 10, 11, 12, 14. Dhafer Youssef (oud, vocals & electronics) on 2, 3, 5, 7, 9, 13, 15. Nguyen Le はベトナム系 (Vietnamese) ながらフランスはパリ (Paris, France) 生まれの guitar 奏者だ。1980年代末からフランスの jazz/improv シーンで活動 してきている。Gateway 的な guitar trio での録音が多い。また、同じくベトナム 系で伝統的な歌だけでなくフランスの jazz/improv シーンでも活躍する女性歌手 Huong Thanh のバッキングでも知られる。 そんな彼の新作は、イタリア (Italy) 出身の trumpet 奏者 Paolo Fresu と、 チュニジア (Tunisia) 出身で現在はヨーロッパを拠点に活動する oud 奏者 Dhafer Youssef と、それぞれとの duo を収録した作品だ。Fresu も Youssef も 電子的な音弄りを得意としている。この作品も音数少くテクスチャを生かした 電子的な音作りで全体がまとめられ、全体としての統一感も感じられる出来だ。 今までの Le や Huong Thanh の作品より、電子的な音作りもテクスチャを生か したもの。残響を強めに浮遊するような展開も多く、ビート感のある曲も ディープめだ。そしてそういう音世界が気に入っている。お薦めだ。 "Thang Long" のようなベトナム的な節回しがベースの曲もあるが、全体としては それほどベトナム的と意識させられる所は多くない。むしろ、電子的音弄りが 無ければ John Abacrombie とかを連想させられるような guitar プレイが多い ように思う。 浮遊するような音作りの曲は全体として良い雰囲気は作っているが、1曲としては 掴みが弱いだろうか。electric Miles の影響を受けた downtempo breakbeats な nu jazz のような "Stranieri" や、IDM的なリズムにエキゾチックな Le の guitar のフレーズが絡む "Neon" のような曲が、ミュートした Fresu の trumpet の音色も合っており、印象に残る。Youssef の場合はむしろ、ビート感の無い "Maqqam" や "Kithara" のような、オリエンタル (oriental) な節回しの弦の 響きを聴かせる曲が良いように思う。 sources: Nguyen Le, http://www.nguyen-le.com/ Paolo Fresu, http://www.paolofresu.it/ Dhafer Youssef, http://www.dhaferyoussef.com/ Act Music, http://www.act-music.com/ 2006/05/28 嶋田 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/index.html