アンドラ (Andorra。フランス-スペインに挟まれたピレネー山中にある小国) にある DVDレーベル Efor Films が Rhapsody Films のコレクションの中から jazz 関連の 映像を NTSC-PAL両面リージョンコード0でDVD化しているのですが、その中から。 _Art Ensemble Of Chicago In Concert_ (Rhapsody Filsm / Efor Films, 2869005, 2004, DVD(NTSC-PAL/All)) は - Recorded: 1981. 1960年代末にシカゴ (Chicago, IL, US) から出てきた jazz グループ Art Ensemble Of Chicago の、1981年11月1日の The Jazz Showcase でのライヴを 収録した60分。ちょうど ECM 時代のライヴということで、2枚組ライブ盤 _Urban Bushmen_ (ECM, ECM1211/12, 1982, 2LP/2CD) を映像的に補完するような 内容だ。"Promenade / Cote Bamako" や "New York Is Full Of Lonely" といった 曲も被っている。見所はなんといっても、メンバーの仮装。ライヴでは仮装をする というのは有名な話で、写真でもよく見るが、実際に動く姿を観る機会は多くない。 僕もこのDVDで初めて観た。写真とかではカッコよく撮られているものが多いが、 こうしてカラーで動く姿を見ると、意外とキッチュでかつ泥臭い。なるほどこれは "Urban Bushmen" だと納得した。いい意味でちょっと間抜けな感もあり、変で楽し める映像だ。ただ、音や演奏そのものについては、やはり ECM 盤の方がお薦め。 _Ornette Coleman Trio / Sound?? feat. Rahsaan Roland Kirk & John Cage_ (Rhapsody Filsm / Efor Films, 2869045, 2004, DVD(NTSC-PAL/All)) - _Ornette Coleman Trio_: Directed by Dick Fontaine, 1966. _Sound??_: Directed by Dick Fontaine, 1967. Dick Fontaine 監督の短編映画2本を収録したもの。いずれも、モノクロだがカメラ ワークや画面作り編集はとても良く、ちゃんと映画として作っているという感じだ。 _Ornette Coleman Trio_ は、Ornette Coleman (saxophone, etc), David Izenzon (bass), Charles Moffett (drums) のトリオが1966年にパリ (Paris) で映画 _Who's Crazy?_ のサウンドトラックを録音したときの様子を捕らえた 30分弱の ドキュメンタリー映画。映画を上映してそれ観ながら演奏していく様子から、 いつのまにか映画の中に入ってしまう、という表現はミュージック・ビデオにも 繋がるところも感じる。 _Sound??_ はドキュメンタリというより実験映画に近く、Rahsaan Roland Kirk の 演奏と John Cage の語りによる音、音楽と静寂に関する映像エッセーといった内容だ。 Kirk の有名な saxophone 3本同時演奏を動く姿も観ることができる。ジャズクラブ での演奏の様子も使っているが、街中を歩きながら演奏したり、動物園で鳥と セッションしたりもしている。ちなみに、Cage は語りとして登場するが、Kirk と 一緒に何かするわけではない。 _Steve Lacy: Lift The Bandstand_ (Rhapsody Films / Efor Films, 2869046, 2004, DVD(NTSC-PAL/All)) - Directed by Peter Bull, 1985; 1950年代にアメリカで活動開始し、1960年代末にフランスに拠点を移し、2004年に 亡くなった soprano saxophone 奏者 Steve Lacy の、インタビューとライヴ映像 からなる50分のドキュメンタリーだ。インタビューの部分の方が長く、ライヴ映像の 方がオマケという感もある作りだ。インタビューでは、Lacy が影響を受けた/共演 したミュージシャン (Sidney Bechet, Cecil Taylor, Gil Evans, Thelonious Monk, John Coltrane) について語っており、そのミュージシャンのライヴ映像の断片も 使われている。ライヴ映像は1983年10月29日の New Jazz at The Public でのもの。 1980年代前半 Hat Hut レーベル時代のレギュラーともいえる 6tet (Steve Lacy, Irene Aebi, Steve Potts, Bobby Few, Jean-Jacques Avenel, Oliver Johnson) に よるもので、"Prospectus" と "Gay Paree Bop" というこの頃の代表を収録している。 演奏は悪くないのだが短いので、もしろ、インタビューの方を簡潔に、ライヴ映像を メインに観せて欲しかったようにも思ってしまった。 sources: Art Ensemble Of Chicago, http://artensembleofchicago.com/ Steve Lacy, http://senators.free.fr/ Rhapsody Films, https://ssl46.pair.com/fisf/rhapsody/index.php Steve Lacy, _Prospectus_ 等のレビュー, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/CdD/00101101 2006/08/15 (2006/08/14) 嶋田 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/index.html