DuOuD + Mercan Dede Unit, 代官山 2006/10/01, 17:00-19:00 『フェスティバル コンダ・ロータ 2006 ― ラマダンの夜』の東京での第一夜、 DuOuD のミニライヴと Mercan Dede のDJを観て来た。 まずは DuOuD。チュニジア (Tunisia) 出身でユダヤ系 (Jewish) の Smadj と アルジェリア (Algeria) 出身でベルベル系 (Berber) の Mehdi Haddab のデュオだ。 最新作 _Sakat_ (Label Bleu, LBLC2598, 2005, CD) でフィーチャーしていた Abdulatif Yagoub をはじめとするイエメン (Yemen) のミュージシャンは抜きで、 途中からベリーダンサー Mishaal をフィーチャーしたものの、2人のみで一時間弱の 演奏だった。演奏した曲も _Sakat_ からではなく、_Wild Serenade_ (Label Bleu, LBLC2588, 2003, CD) から。 舞台下手の Smadj がアコースティックな oud をどきどき引きつつ laptop PC で ビートを組み立て、上手の Mehdi Haddab はスケルトンボディの electric oud を rock マナーで弾きまくるというステージだった。_Wild Serenade_ からは攻撃的な 印象も受けていたので、Haddab のプレイには納得。体を揺らせながら、強く低音を 効かせた club music 仕様のPAでの _Wild Serenade_ を楽しむことができた。 Mercan Dede こと Arkin Allen は、トルコ (Turkey) 生まれだが、1990年代後半に カナダ (Canada) で活動を始め、2000年代に入ってからはイスタンブール (Istanbul) のレーベル Doublemoon を拠点に活動している DJ / ney 奏者だ。 前半は最新作 _Nefes_ (Doublemoon, DM033, 2006, CD) からの曲などをCDJでかけ ながら、ney や小さな flame drum を演奏しつつそれを軽く live electronics で 弄るという半ばライヴのセットだった。(前半の途中からベリーダンサー Miho を、 後半のDJでも途中で Mishaal と Miho をフィーチャーしていた。) Secret Tribe での ライブではなく DJ だとの予告であまり期待していなかったので、これはちょっと 得した気分。 しかし、後半の DJ タイムは、Mercan Dede の繊細でシャープなイメージに反して、 かなりベタなもの。Mercan Dede の作品からサウンドのテクスチャにこだわった ディープでミニマルなDJプレイを期待していたので、少々残念だった。 客はそれほど多くなく、DuOuD の始まった頃は、舞台正面フロアの前の方でも ゆったり体を揺らしていられるほど。しかし、舞台上にベリーダンサー Mishaal が 登場すると、どっと舞台前に女性客が押し寄せてきたのにはびっくりした。 どうやら、ベリーダンスをやっている女性が多く観に来ていたようだった。 オールスタンディングのハコでクラブ仕様の音作りということもあり、日曜17時 スタートという半端な時間帯ではなく、せめて、20時スタートとした方が盛り上が れだろうし、他にもDJを入れて土曜22時スタートでオールナイトでもよいだろう、 そういう内容だった。といっても、顔見せ程度の軽いイベントだろうとそれほど 期待していなかったので、_Wild Serenade_ な DuOuD のライヴも、Mercan Dede の ney 生演奏も、かなりお徳だった気になれたライヴとDJだった。これで、DuOuD と Mercan Dede の共演があればとは思ったが。 sources: DuOuD @ Label-Bleu, http://www.label-bleu.com/artist.php?lng=e&artist_id=113 Mercan Dede, http://www.mercandede.com/ Doublemoon, http://www.doublemoon.com.tr/ Unit, http://www.unit-tokyo.com/ フェスティバル コンダ・ロータ, http://www.conversation.co.jp/schedule/konda_lota/ DuOuD, _Wild Serenade_ レビュー, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/CdD/03032301 2006/10/09 (2006/10/02) 嶋田 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/index.html