William Hooker "Shamballa" (Knitting Factory Works, KFW151, '93, CD) - William Hooker (dr), Thurston Moore (g), Elliott Sharp (g) Hilliam Hookerという人がどこで活動している人か知らないのだが、Sonic Youthの Thurston Mooreと、CarbonのElliott SharpとのKnitting Factoryでのセッションを 集めたアルバムが出た。興味深かったので、買ってみた。 前半は"Sirius"という2部構成のThurston Mooreとの競演。Sonic Youthがメジャー DGCに移籍してグラウンジ化:-pする前によく聴かれたジャンク風のノイズギターで、 ドラムと一騎打ち。ジャンクvsフリージャズというか(なんだそれ?)。ドラムが もっとどたばたするかと思ったが(John Zorn "Spy Vs Spy" (Elektra/Musician, '88) ようにね)、落ち着きがある演奏でよい。 Elliott Sharpとの競演の方は、もっとドラムの音が表に出てきてリズミカル。 対するElliott Sharpのギターもきゅるきゅるいってからんでいく。きこえる掛け 声がかっこいい。こちらの方がフリージャズらしいかな。 というわけで、なかなか引き締まった良いアルバムだ。こういう緊張感のある作品 って好きだ。ジャケットのだささは減点だが。 Knitting Factory Worksからというと、 God Is My Co-pilot "Tight Like Fist: Live Recording" (Knitting Factory Works, KFW148, '94, CD) は、すごい。ジャンクパンク曲怒涛の全39曲というか。(ま、Minutemen "Double Nickels On The Dime" (SST, '84) の全43曲というのもあるが。) ろくでもない。 ガキガキガシャガシャいうギターと、ファンク風味のベース。やたらにドラムや パーカッションの類が多い。女性ボーカルもずれてるし。80年代前半にLAで活躍 していたパンクバンドMinutemenを、ジャズ寄り(?)にして女性ボーカルにすると、 こんな感じになるのかな。クレジットにはHalf JapaneseのJad Fairの名前が見える。 残念ながら収録できなかった人の中には、John Zorn、Elliott Sharp、Anthony Colemanの名前もある。 音もろくでもないが、ジャケットはもっとろくでもない。まあ、表ジャケットも だいぶやばいものだが、透明なトレーの下に見える写真は、Sonic Youth "Dirty" の限定盤で見られた写真よりも、お下劣だ。こんなもの見せてどーする。聴こう とするたびに、この写真でお下劣な気分になれるというのが、なんとも(笑)。 このろくでもないところが、緊張感というレベルまでキているのでよしとして おこう(笑)。 94/1/28 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕