Pavement "Crooked Rain, Crooked Rain" (Matador ORE079-2, '94, CD) というわけで,Pavementの新作はやはりMatadorから.配給はWEAかADAかわからないが, Atlanticのマークは消えている. 一聴目のはじめのうち暫く,既聴感に襲われた.何なのか一生懸命思いだそうとした. Pixies "Surfer Rosa"だ.別に格別似ているわけではないけど,このアルバムを聴いて いると,Sonic Youth "Sister"とかいろいろ思い出される.なにか懐かしいというか, そんな感じのする演奏だ. 聴き進んでいくとそんな感じも失せていくのだが.ジャズっぽい色合いのある演奏も 聴こえるし.どんどん味わいが増していくのも事実だ. しかし,僕がPixiesの"Doolittle"を聴いてPixiesに対してさらに物足りなく感じた リズムに関する欲求不満を,やはりこのPavementにも感じる.それは1作目の時以上 かもしれない.それは,なまじっか出来がいいからだとも思う. ノリを良くするためのリズムではなくてね.歌声を,メロディラインを,ギターの フレーズを異化するような,そんなドラムやベースのフレーズがあったら,とも思う. このアルバムを聴いていて僕が感じる単調性は,たぶんそんなところに感じているの だと思う, 94/2/23 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕