さて、Caetano VelosoやGilberto Gilと60年代末から活動しているGal Costaが Arto Lindsay制作で新作を出しているので、これも一緒に買ってしまった。 Gal Costa "O Sorriso Do Gato De Alice" (BMG Ariola Discos, M10.148, '93, CD) - Produzido por Arto Lindsay Arto Lindsay制作ということで期待していた(何をだ?)のだが、普通のアレンジ。 "Nome"や"Tropicalia 2"のときのような構えで聴くと、肩透かしを食う。はは。 Caetano Veloso、Arto Lindsay、Gilberto Gil、Jorge Ben Jor、Djavanの書いた 曲を歌いこむ。背景の演奏もアコスティックなもので、不協和音やノイズが出て くるわけではない。 Arto Lindsayも最後の"Alkahool"でしかギターを弾いていないし。New York界隈の Arto人脈の参加といえば、"Bahia, Minha Preta"でのMarc Ribotと"Voce E Voce" での"Frank London"(なんとThe Klezmaticsのリーダー!)くらいだ。 Arto Lindsayが制作したBrazilの女性ヴォーカルというと、Marisa Monte "Mais" (EMI-Odeon Brasil, '91)があるのだが、こちらの方がアレンジも斬新だったし、 歌声も若々しくて、僕にとってはこちらの方がやはりずっといい。 Galの歌声も深みがあるんだろうが。 Arto Lindsayが制作等で参加しはじめてから新たな展開が面白くなってきている ような気がするBrazilの音楽シーンだが。確かにCaetano Veloso、Gilberto Gil、 Gal Costaといった60年代から活動しているベテラン達も頑張っていると思う。 けど、Arnaldo AntunesやMarisa Monteといった若い世代に僕は惹かれるし、 期待したいなとも思う。 94/3/27 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕