TFJです。既に1カ月以上経ってしまいましたが、買い出しツアー時に買った Lee Perryの70年代後半の名作2枚の感想を。 Lee Perryというと、僕は80年代後半以降の、Adrian Sharwoodとの共作とも いうべき"Time Bomb X De Devil Dead" (On-U, '87)、"From The Secret Laboratory" (Island, '90)しか聴いたことがなかった。シャープというか クリアなDub Syndicateの音を背景にLee Perryがどさくさに歌い/しゃべり まくるこの2作は、僕のお気に入りだが。で、この2枚がBlack Ark時代のLee Perry初体験になるわけだ。 Lee Perry "Roast Fish, Collie Weed & Corn Bread" (Upsetter / VP, LPIR0000, '78, LP) - A1)Soul Fire 2)Throw Some Water In 3)Evil Tongues 4)Curly Locks 5)Ghetto Sidewalk B1)Favorite Dish 2)Free Up The Weed 3)Big Neck Police 4)Yu Squeeze My Pannandle 5)Roast Fish & Coanbread - Produced by Lee Perry The Upsetters "Return Of The Super Ape" (Upsetter / VP, LPIR0001, '78, LP) - A1)Dyon - Anaswa 2)Return Of The Super Ape 3)Tell Me Something Good 4)Bird In Hand 5)Crab Yars B1)Jah Jah Natty Dread 2)Psyche And Trim 3)The Lion 4)Huzza A Hana 5)High Rankin Sammy - Produced by Lee Perry 第一印象としては、2作とも音が変。80年代後半の分離のいい音の印象がある せいか、もこもこと固まったような音だなと思った。当時のUKレゲエ(Aswadや Steel Pulse)と聴き比べながら、録音が悪いのかな、と思ったくらい。けど、 これは、録音が悪いんじゃなくて、たぶん、制作なのだろうな。 "Roast Fish, ..."はLee Perryの歌もの中心。音がもこもと固まっているせいか、 Lee Perryが独りどさくさに歌っているという感がない。"Throw Some Water"が のんびりした感じでいいな。B面に入ると、赤ん坊や泣き声や牛の鳴き声が 入って怪しげな感じ。けど、ブットビというほどではないかなぁ。 "Return Of Super Ape"は、ブットビなダブということで、ズタズタに編集 されたもの(Black Uhuru "The Dub Factor"みたいな)を想像していたら、ダブの 作品というより、比較的普通の歌物に近かったので、拍子抜け。コブシの まわった女性の歌声が聞こえたりして、変といえば変。 正直に言って、同時期に買ったPrince Far Iが一発でどはまりだったのに対して、 こちらは、どはまりじゃなかった。 が、80分テープにこの2枚を録音しておいてときどき聴いていたら、けっこう じわじわ効いてきた。岡山への出張の時にもこのテープを持って行ってしまった くらい。よくよく聴くとへんなところが多い。変に味わい深い作品というか。 ずぶずぶ深いエコーでもなし、ズタズタな編集やトラックのオン/オフでもない、 というわけで、僕にとってはちょっと掴みつらいところだったのかもしれない。 で、"Time Bomb X De Devil Dead"や"From The Secret Laboratory"と比べて どうか、といえば、しかし、このAdrian Sharwoodとの共作の方がいいな、と 思ってしまうのだった。 94/8/1 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕