Unknownmix "Snacks" (RecRec Music, RecRec22, '88, LP) - A1)The Beast 2)Lollopop B1)Kakadu 2)The Siren - Produced by Stephen Wittwer & Unknownmix - Ernst Thoma (electronics), Magda Vogel (vo), Mani Neumeier (dr), Hans-Rudolf Lutz (visual production) Unknownmix "Whaba!" (RecRec Music, RecRec27, '89, LP) - A1)Power Games 2)Footprints In The Sand 3)My Cat Is Dead 4)Bongo Beat B1)Kakadu 2)My Memory 3)Fortune Teller 4)La Canzone Dei Preti - Produced by Stephen Wittwer - Ernst Thoma (electronics), Magda Vogel (vo), Mani Neumeier (dr), Hans-Rudolf Lutz (visual production) Unknownmixは80年代半ばから活動しているZurich, CH出身の女性2人男性2人の 男女混成4人組。Recommended系のレーベルRecRec Music所属だ。 このバンドを初めて知ったのはGreil Marcusの"Real Life Rock" (Music Magazine 91年12月号所収)でだ。Liliput (80年頃、Rough Tradeから作品を出していたCH 出身の女性バンド)を引き合いに出して紹介されていたのが気になった。当時、 UnknownmixのCDを店頭で手に取ったりしたが、買うことはなかった。 だが、最近のLo-Fiの流行の仕掛人でもある佐々木敦がParis Peking Recordsを 拠点に、このバンドから名前をもらったイベントを開いているのを知って、やはり 聴きたくなっていた。 先日、ふらっとOpus Oneに行ったとき、RecommendedコーナーでUnknownmixの レコードを2枚みつけた。試聴したらかっこよさそうだったので、2枚とも買って しまった。ここでは2枚ともアナログだけど、"Whaba!"はCDも出ているはず。 ちなみに、"Real Life Rock"で紹介されたのは、"Sincerely"という7"盤なの だが、これはみかけたことはない。他にも数題CDが出ていたと思う。 Greil MarcusはLiliputを引き合いに出しているが、むしろ、The Honeymoon KillersやBand Apartといった80年代初頭のCrammed Discsでよく聴かれた音を 思わせる。簡素な打ち込み/シンセのギクシャクした背景に、少々変わった女性の 歌声、という具合だ。シングル曲でもある"Kakadu"では、中国風の旋律/歌声も 聴かれる。 フェミニズム/ソシャリズムに彩られた歌詞も良い。"Whaba!"の表紙はいわゆる skin magからとったと思われる女性の裸体の写真のコラージュで、歌詞の内容と あいまって、いろいろ考えさせられるものがある。 というわけで、音といい歌詞といいいかにもGreil Marcus好みだな、と思った。 いかにも"Real Life Rock"というか。で、こういうのは、僕の好みでもあったり するわけだ。気に入ってしまった。お勧めしておこう。 95/8/10 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕