Black Roots "Ina Different Style" (Nubian, NRCD01, '87, CD) - Produced by Neil Fraser aka "Mad Professor", Black Roots The Pop GroupやSoul II Soulで知られるBristol, England出身のバンド。 これは'86〜'87年頃の作品の編集盤。ダブと合わせてショーケースで編集 されている。オリジナルは #1-14 "Allday Allnight" (Nubian NRLP01) '86 LP/MC #15,16 "Suzy Wong" (Nubian NR04) '87 7"/12" #17,18,19,20 "Move On / Let It Be Me" (Nubian NR05) '87 7"/12" だが。"Allday Allnight"は当然ダブなしの10曲入りで、うち7曲がここに 収録されている。これは、Ariwaで知られるMad Professorとの共同制作。 "The Dub Factor"といい、最近の作品はMad Professorがらみが多いような 気がする。ライナーによると、この作品かららしいので、最近の音を確立 した作品かも。 クリアな音でゆったりしたルーツ風のビートと、Mad Professorらしい きれいなダブ処理は、そんなに嫌いではないが、歌手の声の質が僕の好み ではないのが難点。例えば、「ウォ〜」というコーラス、"Freedom"での 「freedom」という歌いこみ、など力んで歌う所が、僕には取ってつけた ように聞こえる。これが、自由や差別を扱った歌詞を、平凡で型通りの 反抗歌にしているように思える。歌が下手というより、巧く歌おうとして いるのがいけないのか? と、アルバムからの曲で滅入っていたせいか、自身による制作のシングルの 曲に入ってから楽しめた。曲もこちらの方がポップで、歌に力みが無い のもいい。ちなみに、"Move On"と"Let It Be Me"は、ミックスにZebbie Drumtonとクレジットされているが、これは、もちろんAswadのDrummy ZebbことAngus Gayeのことだろう。(そういえば、"Allday Allnight"の ホーンとして、Aswadのホーンである(だった?)Vin GordonとMichael "Bammi" Roseが参加している。) それらしいUKレゲエの王道といった感じの ミックスに仕上がっている。 Nubianという自身の独立レーベルを拠点としているせいか、これといった 聴き手を捉える売りがないせいか、地味さを隠しきれない。やはりB級の バンドかもしれない。しかし、Mad ProfessorやAswadなど、UKレゲエの 本流(?)に近い所にいるバンドであるのも確かだろう。B級ならではの 楽しみ方もできるので、UKレゲエのマニア向けだろうか。:-p 95/8/22 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕