Rough Tradeといえば、パンク以降のロックをリリースする独立系レーベルの 代表格であるが、そのカタログを見ると、James Blood UlmerやMaterialの ようなロフト・ジャズやThomas Mapfumoなどのジンバブエの音楽も見られる。 主にライセンスに基づき紹介していたのだが。パンクと縁の深かったレゲエに 関しても、もちろんいくつかのリリースがあった。(Rough Tradeが中心に なって作られたUKの独立系配給網The Cartelは、Jet Starと並んでUKの 独立系のレゲエのレーベルを多く配給していたこともある。) The Mighty Diamonds "Changes" (Rough Trade, ROUGH38) Jah Shaka "Revelation Songs" (Rough Trade, ROUGH50) Gregory Isaacs "Live At The Academy Brixton" (Rough Trade, ROUGH74) Linton Kwesi Johnson with The Dub Band "In Concert" (Rough Trade, ROUGH78) Horace Andy "Elementary" (Rough Trade, ROUGH82) カタログで確認できただけでも、上の5題がある。LKJの"In Concert以外では Horace Andy "Elementary"を6年くらい前に店頭でみかけたことがあるだけで 持ってもいないのだが、6月末頃にまた一つ見つけたので、Rough Tradeに こだわりのある僕は、すかさず保護した。 Jah Shaka "Revelation Songs" (Rough Trade, ROUGH50, '83, LP) UKのレゲエの中では妙に泥臭いラスタ色濃い独自路線を歩んでいる印象がチ閧 飩ah Shakaの'83年のこの作品は、Recorded by Ariwa Studio, Engineered by Mad Professorという、Mad Professorとの共作ともいえる作品だった。 Jah ShakaとMad Professorというわけで、ダブ処理しまくった作品を思い 浮かべるが、「啓示の歌」という題からもわかるように、歌ものが中心だ。 といっても、Jah Shaka & Friendsといった構成でもない。Alan Kingpin、 Garnet Crossといった人が歌手としてクレジットされてはいるが。 まだ24chになる前のAriwaということもあるのか、音はしょぼいし、ラスタ 傘下を歌いまくる歌手の声も魅力的ではない。あまりに面白くないので、 針を下ろす気になかなかなれない。 というわけで、Rough Tradeレーベルの作品を集めている、という人以外 にはお勧めできない作品だった。 95/8/22 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕