80年代中頃、Nottingham, EnglandにRon Johnsonという独立レーベルがあった。 このレーベルから輩出したギクシャクしたリズムと鋭いギターカッティングを 特徴に持つStump, A Witness, Big Flame, The Shrubsといったバンドが僕は 好きだった。名編集盤Various Artists "NME C86" (Rough Trade, ROUGH100, '86) には5つのバンドが参加し一大勢力となっていた。特にStumpのHolger Hillerの 制作の名作 Stump "A Fierce Pancake" (Ensign, CHEN6, '88) は、今聴いても新鮮だ。これは是非お勧めしたい。 そんなRon JohnsonのUS盤をリリースしていたのが、 Fundamentalの傘下の レーベルCommunionだった。Fundamentalは、Savege Republicはもちろん、 Butthole SurfersやColorblind James Experience、Eugene Chadbourneなど、 一癖あるバンドを紹介していた。 Fundamentalのリリースは今でも見掛けるが、Communionはここ数年見かけた こともなく、とっくに活動を止めていたと思っていた。が、偶然こんな新作を 見つけた。Cat. No.からして、定常的に活動していたようだ。 The Folk Implosion "Take A Look Inside ..." (Communion, COMM32, '94, CD) - 1)Blossom 2)Sputnik Down 3)Slap Me 4)Chicken Squawk 5)Spiderweb- butterfly 6)Had To Find Out 7)Better Than Allright 8)Why Do Thet Hide 9)Winter's Day 10)Boyfriend, Girlfriend 11)Shake A Little Heaven 12)Waltzin' With Your Ego 13)Take A Look Inside 14)Start Again - Written, Arranged & Performed by Lou Barlow and John Davis. Recorded in John's Room. Mixed with Tim O'Heir at Port Apache ホームレコーディングの14曲22分収録。といっても音は悪くない。かつての Ron Johnsonを思いださせるギターのカッティング、スカスカでギクシャクした ドラムとベースが叩き出すリズムも非常にかっこいい。素晴らしい作品だ。 特に2曲目の"Sputnik's Down"は典型的なRon Johnsonサウンド。この1曲だけ でも買った甲斐があった。お勧め。 因みにこのThe Folk Implosionは、Lou Barlow (ex- Sebadoh)とJohn Davisの バンド。ミックスもBoston, MAの有名なスタジオPort Apache。もうUKからは こういう音が出てこないのだろうか。しかし、このうち6曲は、Brighton, E. Sassex, EnglandのChocolate Monk Tapeということろからリリースされて いたらしい。ひょっとして、かつてのRon Johnsonの関係者も絡んだ作品なの かもしれないな。 94/9/12 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕