70年代後半のBlack Ark時代のLee Perryの作品の感想/紹介シリーズ第4弾。 Susan Cadogan "Susan Cadogan" (Trojan, TRLS122, '76, LP) - A1)In The Ghetto 2)Nice And Easy 3)Hurt So Good 4)Congratulations 5)If You Need Me B1)Lay Down 2)I Keep On Loving You 3)Don't You Burn Your Bridges 4)Feeling Is Right 5)Fever 6)Shame - Produced by Lee Perry Elvis Presleyの名曲"In The Ghetto"のカバーで始まるこの女性歌手の作品は あまりレゲエの作品ぽくない。いわゆるアフロヘアにした彼女の写真からなる ジャケットのデサインからして、USの女性ソウル歌手の作品のようだ。 といっても、基本的なリズム形式はレゲエのものだし、残響が強くもこもこした 音はいかにも70年代後半のBlack ArkでのLee Perry制作のものだ。 この作品があまりレゲエっぽく聞こえないのは、Susan Cadoganの声質による ところが多いと思う。ファニーヴォイスとでもいうべき、高くてちょっと鼻に かかってひしゃげたように聞こえるその声だ。とても軽いのだ。Lee Perryの 音処理のせいなのかもしれないが。ルーツ・レゲエ的、ソウル的というより ポップス的に聞こえる。そして、このレゲエからのはみ出し具合が、決して 斬新だとかそういう類のものではないが、僕は気にいっている。 "In The Ghetto"はBeat Internationalがレゲエ的解釈でカバーしているのを 聴いたことがあったが、ひょっとして、レゲエ曲としてよくカバーされている 曲なのかな?。"Fever"もカバー曲のはずなのだが(ポストパンクバンドMarine Girlsがカバーしたものを持っている)、オリジナルが誰なのかは知らない。 "Congratulations"で聴かれる結婚行進曲の効果音はなんだ?という感じ。 僕が普段に聴いている音楽とあまり縁があるような音ではないが、たまに聴いて 心を安らげるのにいい音かもしれない。 94/9/26 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕