B.Y.O.B.
"B.Y.O.B."
(13 / Rykodisc, RCD10310, '94, CD)
- 1)Too Good To Let Go 2)Ramifications Of Shaking One's Ass 3)Change It
4)Distances 5)Go Jazz Go 6)Outerspacegethithang 7)Ramifications Of Getting
& Saying Hi Gh 8)A Day Off In The Life 9)The Rackett 10)Where Ya Going To?
- Produced by Michael Ivey

a free-wheeling excursion through r&b, hip-hop, go-go, jazz and more,
produced by and featuring basehead's michael ivey.  b.y.o.b. is the first
release on the 13records/rykodisc imprint, the new black alternative label
that hopes to expand your mind and your ears without blowing anything up.

と帯に書かれている。Washington DCの異端のHip-hopグループBaseheadのリーダー
Michael IveyがRykodisc傘下に作ったレーベル13の第一弾は、Iveyのプロジェクト
とも言えるB.Y.O.B.だ。

Baseheadは、The Disposable Heroes Of HiphoprisyやArrested Developmentと
一緒にalternative rapと言われる事が多かったが、その中でも特にrap/hip-hopと
異なる要素を多く持っていたグループだった。The Disposable Heroes Of Hiphop-
risyが解散し、Michael Franti率いるSpearheadがArrested Development的な歌心
ある作品を出している。そんな中でBaseheadはどうなるのだろう、と思っていた。

しかし、Pere UbuやRollins Bandを擁するalternative系のレーベルImagoから
Rykodisc傘下に自らのレーベル13を設立して移籍して、ますます独自の世界を展開
しようと考えているようで、そんな意欲がひしひしと感じる作品だ。13レーベルが
今後どういうリリースをしていくのか、楽しみだ。

B.Y.O.B.では、目新しいことをやっているというより、jazzやhip-hop、funkなどの
混ぜ合わせ方が奇妙で、いつのまにか妙な世界いる、という具合だ。このズレた
枯れ具合は癖になる。けっしてPrinceのように多くの人に受ける音楽ではないが。
"new black alternative"に名前負けしていない。これぞalternative。


Michael Ivey率いるBaseheadは92年ころから活動しているグループで、アルバム
2枚を残している。シングルは全てフォローできていないと思うが、以下にディスコ
グラフィを付ける。

Basehead
"Play With Toys"
(Imago, 72787-21010-2, '92, CD)

Basehead
"2000 BC"
(Imago, 72787-25010-2, '92, CDS)

Basehead
"Not In Kansas Anymore"
(Imago, 72787-21016-2, '93, CD)

Basehead
"Do You Wanna Fuck (Or What)?"
(Imago, 72787-25027-2, '93, CDS)

今聴いても充分斬新な(奇妙な)作品なので (実際、米"Option"誌94年Nov/Dec号で、
Lo-Fiの文脈から再評価されている。) B.Y.O.B.と合わせて是非とも聴いて欲しい。

ちなみに、去年末頃に出た堕胎権支持慈善企画盤

Various Artists
"Born To Choose"
(Rykodisc, RCD10256, '93, CD)

は、Baseheadは参加していないが、BaseheadのデザインチームでもあるEmigreが制作に
かかわっており(版権も持っている)、Rykodiscとの縁もここから生れたように思う。

94/12/12
嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕