はい、こちらTFJです。 Don Byron "Music For Six Musicians" (Nonsuch, 7559-79354-2, '95, CD) - 1)Uh-Oh Change! / White History Mouth 2)Shelby Steele Would Be Mowing Your Lawn 3)(The Press Made) Rodney King (Responsible For The LA Riots) 4)I'll Chile On The Marley Tapes... 5)Sex/Work 6)La Estrellita 7)... That Sucking Sound... (For Ross Perot) 8)Crown Heights 9)The Allure Of Entanglement 10)The Importance Of Being Sharpton - Produced by Hans Wendl except #4 Produced by Arthur Moorhead - Don Byron (c,bc), Graham Haynes (cornet), Edsel Gomez (p), Kenny Davis (electric b), Jerry Gonzalez (congas), Ben Wittman (dr), Sadiq (vo) on #1, Bill Frisell (g), Lonnie Plaxico (acoustic b), Ralph Peterson Jr. (dr) on #4, Andy Gonzalez (acoustic b) "ミュージック・マガジン"誌94年3月号の特集記事で「ドン・バイロンの次の プロジェクトはアフロ・キューバンだそうだ。ジェリー・ゴンザレスなどが 参加し、かつてない種類のラテン・インストゥルメンタル作品になるという。」 と書かれていた、クラリネット奏者Don Byronの新録がリリースされた。 冒頭の朗読"White History Mouth"の内容もさておき、Rodney King事件とLAの 暴動に関する曲やRoss Perrotに捧げた曲など、扱っている主題は重い。 といっても、アフロ・キューバンのリズムを借用してきているので、明るく 聴こえる曲が多い。前作のクレズマーをやった"Plays The Music Of Michey Katz" (Elektra Nonsuch, 79313-2, '93, CD)よりも、うさん臭い出来だが。 実はこの中では、時々メチャクチャするEdsel Gomezのピアノが気に入って いたりするのだが、一番好きな曲は、録音時期がそれだけ違うと思われる Bill FrisellやLonnie Plaxicoが乱入する"I'll Chile On The Marley Tapes..."。 キーキーいうクラリネットやキョキョキョガンガンいうピアノやグシャーという ギターの音が飛び交うめちゃくちゃ(じゃないって)やってる部分と、のんびり したテーマを演奏している所の落差が、ズレているというかとぼけた感じだし、 なんといっても、踊り出したくなるような軽快さがよい。お薦め。 さて、ちょっと古い(といっても去年)のだが、セールで買ったものを簡単に紹介。 これもクラリネット物。 Marty Ehrlich "Can You Hear A Motion?" (Enja, ENJ-8052 2, '94, CD) - Recorded live to two track on 93/9/22-23 - Marty Ehrlich (c,as,ss), Stan Strickland (fl,ts), Michael Formanek (b), Bobby Previte (dr) ジャケットで手に取っているのがサックスではなくクラリネットだというのは、 John Carterに捧げた曲を2曲演奏していることと関係あるに違いない。"Pulse!" 誌94年3月号掲載のインタヴューでも、「今まで以上にクラリネットを演奏した 作品」と言っている。本人によるライナーノーツによると、トリビュート物特集 だそうで、John Carterに2曲、Robin Holcombに1曲、Booker Littleに1曲、 Ornette Colemanに1曲、となっている。 これを聴く限り、サックスでもクラリネットでも、あまり変わらないような気が するのだけれど。心もち丸い感じがする。キーキーやっているわけじゃないし、 リズムも普通で和む。 インタビューに「Myra Melford Quintetとツアーに行く予定」とある。実は、 こちらが気になっていたりして。ひょっとしてもうすぐ出るMyra Melford's Extended Emsembleの新譜に参加しているのだろうか? これは楽しみにしている のだけれども。 このインタビューを読んで思うに、いろいろなセッションに参加している人だ。 実際、僕がこの人の演奏を初めて聴いたのは、たぶん、まだあまりジャズを聴いて いなかった頃に聴いていたMarisa Monte "Mais" (EMI-Odeon, '90)で、だ。 95/02/17 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕