はい、こちらTFJです。渋谷HMVで投げ売りされていた、昔のCDから。 Johnny Dyani "Witchdoctor's Son" (SteepleChase, SCCD-31098, '87, CD) - Recorded on 78/3/15 - John Tchicai (as,ss), Dudu Pukwana (as,ts), Johnny Dyani (b,p,vo), Alfredo Do Nascimento (g), Luez "Chuim" Carlos De Sequaira (dr), Mohamed Al-Labry (congas,perc) South Africa出身England在住のジャズ・ベーシストJohnny Dyaniが、同郷の Dudu Pukwanaらと作った'78年の作品なのだが。これがとても面白い楽しい作品 だった。お薦めしたい。 これを聴いてまず思い出したのがWeekend。82〜83年頃にUKで活動したポスト・ パンク・バンドで、ジャズやボサノバに影響を受けたバンドの先駆け的存在と 言われているバンドなのだが。特に、Dudu Pukwana作の"Radebe"は、Weekendの "Weekend Off"とほとんど同じ展開とノリを持った曲だ。 1年ほど前にBhundu Boys "Friends On The Road" (Cooking Vinyl, '93)を聴いて やはりWeekendを思い出した。制作がともにRobin Millerということもあったの だけれど。リズムギターのパターンがそっくりなのだ。 Weekendの音楽の元ネタはジャズやボサノバと言われることが多かったけれども、 Zimbabwe出身のBhundu Boysの音楽を聴いて、実はAfrican musicに影響を強く 受けていたのでは、と思った。当時、Weekendを聴くような人でAfricaの音楽に 詳しい人がいなかったので、あまり指摘されなかっただけで。 このJohnny Dyani "Witchdoctor's Son"を聴いて、Weekendの元ネタがAfrica、 それもSouth Africa〜Zimbabweあたりの音楽を元ネタにしていたのではないか、 と改めて思った。このJohnny Dyaniらの"Radebe"や"Eyomzi"に、Bhundu Boys 風のリズムギターを被せれば、まさにWeekendといった感じだからだ。 Weekend with Keith Tippett "Live At Ronnie Scotts" (Rough Trade, '93) のDisco sideなどは、こうして今聴くとSouth Africa色濃いと思われる演奏に なっていて、とても面白い。 しかも、この影響は、かなり直接的な関係で受けているのではないか、と思う。 Weekendから歌手か入れ替わってできたWorking Weekの1st "Working Week" (Virgin, '85)のホーンとして参加しているGuy Barker、Chris Biscoe、Ray Warleigh、Harry Beckettとなどが、The Dedication Orchestra "Spirits Rejoice" (Ogun, OGCD101, '92, CD)に参加するような人たちだったというのも 偶然ではないような気がする。 そういう点ではWeekend 〜 Working WeekにいたLarry Stabbinsが参加している Keith Tippett Septet "A Loose Lite In A Gentle Wind..." (Ogun, OGD007/008, '86, 2LP)があまりAfricaっぽくないのは、なんとも惜しい。Weekend 〜 Working Weekだって、そのまま保守的なソウル風味のアッシドジャズ路線に走らず、 The Blue Notesの衣鉢を継ぐようなアフロ・ジャズ的な方向性のバンドになって 欲しかった…。 95/02/20 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕