Robotiks蒐集家のTFJです(嘘)。Ariwaの作品を見ると、よくドラムのクレジットが Robotiksとなっている。この実体はおそらく人ではなく、リズム・ボックスか ドラム・マシーンなのだと思うのだが。Ariwaの初期に、このRobotiks名義の 作品が出ていた。3枚あるのだが。Mad Professorの"Dub Me Crazy"も変な題と 表紙の連作だったが、このRobotiks関連のものは、題からして表紙からして、 最も馬鹿馬鹿しい類に入るのではないだろうか。そんな3枚をまとめて紹介したい。 Elektro Robotik Dub Orchestra "Strictly Automatik" (Ariwa, ARILP016, LP, '84) これはRobotiks名義ではないのだが。ロボットが並んだジャケットは比較的マトモ なのだが、"Strictly Automatik"というタイトルがまず笑える。シンセサイザーの 音も妙に安っぽく、テクノポップ(死語)・ミーツ・レゲエとでもいえる、ペラペラな 変な作品になっている。例えば'82年のDepeche Mode ("Leave In Silence"あたり) の音でレゲエをやっているという感じだろうか。しかし、Depeche Modeの'84年の 曲といったら"Master And Servant"だということも考えると、こういうペラペラな 音というのも、わざとやっているのではないか、という気もする。珍盤で好き嫌いが 大きくわかれそうだけれども、僕は"Strictly Automatik"という名付けとその音の センスをかっている。 Robotiks "Man And Machine" (Ariwa, ARILP019, LP, '85) ロボットが暴れまわっている劇画の表紙で"Man and machine dubbing in harmony" なのだが。本気で人と機械の調和を訴えたくて作った作品とはとうてい思えない ところがなんともすごい。(どこまで本気なのか、計りかねる所があるのだが。) 内容的には、"Strictly Automatik"のようなインストゥルメンタル作品なのだが、 癖が無くいまいち。やはり、この手の作品は一発の勢いが重要かもしれない。 Robotiks "My Computers Acting Strange" (Ariwa, ARILP027, LP, '86) やはり、発狂したコンピュータの劇画の笑える表紙。A面最後はファンクになるし、 シンセサイザー・ストリングの音が効果的に入っていたり、と、なかなか面白い 作品になっている。しかし、"Strictly Automatic"のような馬鹿馬鹿しさがあまり なくなってしまったようで、少し寂しい。 Mad Professorの作品の場合、概して音の仕上がりが奇麗過ぎるきらいがあるので、 コンセプトの馬鹿馬鹿しさとか、レゲエでない素材とか、素材がえぐい方が面白い 仕上がりになるのでは、なんて思ってしまうRobotiksの作品だ。 95/2/27 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕