Mad Professor研究家のTFJです(嘘)。 Massive Attack "No Protection" (Wild Bunch, WBRCD3, '95, CD) - 1)Radiation Ruling The Nation (Protection) 2)Bumper Ball Dub (Karmacoma) 3)Trinity Dub (Three) 4)Cool Monsoon (Weather Storm) 5)Eternal Feedback (Sly) 6)Moving Dub (Better Things) 7)I Spy (Spying Glass) 8)Backward Sucking (Heat Miser) - Dub Mixed by Mad Professor at Ariwa Studio Massive Attack meets Mad Professorということで、なんと、Massive Attack "Protection" (Wild Bunch, WBRCD2, '94, CD)のダブアルバムが出た。もちろん、 Guyana出身の元電気技師にしてUKレゲエの重鎮 (異端児?) Mad Professorによる ダブだ。"Eurochild"と"Light My Fire"を除く8曲のダブが収録されている。 "Sly"と"Protection"に関していえば、シングルに収録されたダブと同じもの。 音盤店の店先でジャケットを見たときは、一瞬、目を疑った。今までのMassive Attackの「上品」にデザインされた表紙とはまったく趣を異にした、漫画/劇画の ジャケットなのだ。ある意味で、初期のAriwaでのMad Professor自身の"Dub Me Crazy"連作やRobotiksの漫画を使った馬鹿げた表紙を思わせる。といっても、 怪獣ものというかアクションものが題材というのもあるのか、たいぶ雰囲気は 違うのだが。 Mad Professorのダブの場合、どうもきれいになりすぎるきらいがあるのだが、 このダブ盤も、ごちゃごちゃした表紙とは逆に、とてもきれいな仕上がりだ。 もともとの音が聴きやすい音だったこともあるのだけど、とってもおしゃれな インストゥルメンタルのBGMになると思う。 しかし、最近のMad Professorのダブなら、"Black Liberation Dub"の連作での 攻撃的なダブの方が、僕は好きだ。Massive Attackにしても、"Protection"は 歌心ある所がよかったと思っている。そういう意味では、二者の良くない所を 集めてしまった感もある。 Massive AttackとMad Professorが組んだらもっと凄いことができるはずだ、と いう期待もあったので、評価がつい厳しくなってしまうが。ダブ盤だけで楽しむ のではなく、"Protection"と"No Protection"の2枚で自作のショーケースを作る、 というのが、きっと正しい楽しみ方なのだろう。という意味ではDJユースか。 CDではなくアナログで買った方が良かったかもしれない。 95/3/2 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕