Cecil Taylor研究生(謎)のTFJです。去年末からCecil Taylorにハマっているわけ なのだが、いろいろ聴いた中から、最近のリリースのものについて (といっても、 1年以上前か)。 The Feel Trio "Celebrated Blazons" (Free Music Production, FMP CD 58, '93, CD) - Recorded live on 90/6/29 - Cecil Taylor (p,vo), William Parker (b), Tony Oxley (dr) Cecil Taylorの面白さに気付いたのはピアノ・ソロの"Garden" (Hat Art, '80)を 聴いてのことだったわけだけれど、音数が少ないほど判りやすい、というか聴き やすいように思うのは、僕だけなのだろうか? 単に僕が一度に多くの音を聴き分け られないだけかもしれないし、僕の好みが薄い音だというだけもしれないが。 次に挙げる"Olu Iwa"に比べて、このトリオでの作品は"Garden"などとも共通する おしゃれというかきれいな(何か良い表現はないだろうか。まさか、これでKeith Jarrettの"Standards"のようなピアノ・トリオを想像する人はいないと思うが。) 感じを、僕は受ける。というわけで、気に入っている。 こういう表紙も好きだ。例えばこの1〜2月に銀座プラスマイナス・ギャラリーで あった藤原志保展のポスター/ポストカードと似たような(ありがち?な)ものだが。 中の音とあっている。そう、そういうのにとても似合いそうな音なわけだ。 まあ、Cecil Taylor & Max Roach "Histrical Concert" (Soul Note)を聴くと、 「音数が少ないほどおしゃれ」というほど単純な話ではないとも思うのだけれど。 Cecil Taylor "Olu Iwa" (Soul Note, 121139-2, '94, CD) - 1)B Ee Ba Nganga Ban'a Eee! (Cecil Taylor Unit) 2)Olu Iwa (Lords Of Character (Cecil Taylor Quartet) - Recorded on 86/4/12 - Cecil Taylor (p), Thurman Barker (marimba,perc), William Parker (b), Steve McCall (dr); Earl McIntyre (trombone), Peter Broetzmann (ts,tarogato), Frank Wright (ts) on #1 マーク・ラパポートに言わせれば、「ユニットで聴けば、どのパートが即興で、 どのパートが作曲された部分かわかるので、構成がよく判る。」とのことなのだ けれど、例えば"Olu Iwa"の前半"B Ee Ba Nganga Ban'a Eee!"のあのPeter Broetzmannを含む三管のユニットを聴くと、だんだんと勢いがついてくると、 その勢いに飲まれてしまう感がある。(単に僕が管系の音が苦手なだけか?) 確かに盛り上がりは"B Ee Ba Nganga Ban'a Eee!"の方があるが。というわけで、 構成というより、Thurman BarkerのマリンバとCecil Taylorのピアノの追いかけ っこというかデットヒート!? を楽しませてもらっている。楽器の構造か録音か、 ピアノに比べマリンバのアタックが弱いのが惜しい。打ち負けている感がある。 ボクシングじゃないので、打ち負けるもなにもないのだが。 この2枚ともベースがWilliam Parkerなのだが。彼の音数多く鳴り続けるベースは、 Cecil TaylorやMatthew Shippのようなピアノにとっても合っているように思う。 最近のお気に入りの音の一つだ。 95/3/6 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕