はい、こちらTFJです。Ariwa特集の今回は今やAswadやUB40との共演でUKの 代表的なDJになった観もあるPato BantonがAriwaから出した2枚。 Pato Banton "Mad Professor Captures" (Ariwa, ARILP023, '85, LP) - A1)Mad Professor Captures Pato Banton 2)Gwahn (Go On) 3)Nuff Kind Of Dread B1)King Step 2)Give Me Oil 3)My Opinion この頃はまだUKではDJと言わずにMCと言ったと思うが。早口のものというほど でもなく、リズミカルなしゃべり、という程度。Pato Bantonの声の質にこれと いった癖があるわけでもないので、無難に聴かれるのではないだろうか。背景の トラックも、ルーツ流儀のものでダブ処理もきれいにきまっている。これが、 作品全体を落ち着いた感じにしているのかもしれない。 Pato Banton "Mad Professor Recaptures" (Ariwa, ARILP043, '89, LP) - A1)Recaptured 2)Riot 3)Satan B1)Tex Me Time 2)Mr. Singh 3)Worries 4)Live As One "Mad Professor Captures"の4年後に制作された続編は、色物っぽい。A面1曲目 "Recaptured"の背景のトラックは、Elektro Robotik Dub Orchestra "Strictly Automatik"の1曲目でもあった"Movements"。実はこれはBob Marley "Exodus"と 同じメロディ。実際に"Exodus"のサビを使っている。さらに、A面3曲目の背景の トラックは、Burning Spear "Marcus Garvey"の最初の曲"Marcus Garvey"の メロディをそのまま使っている。単に僕が気付いたのがこの2曲であるだけで、 実は全曲ルーツやラバーズの名曲を引用しているのではないか、という気がする。 しかし、4年という間隔の割には、あまり作品の感触が前作と変わっていない。 "Mad Professor Captures"が堅実な分だけあまり遊びを感じない作りである一方、 続編は色物っぽい。(僕のような)色物好きな人には、続編をお薦めしたい。 ちなみにこの2枚のLPは合わせて75分で1枚にCD化もされていている。 Pato Banton "Mad Professor Captures" (Ariwa, ARICD023, CD) というわけで、プレーヤーを持っていない人や、とりあえず聴いてみたい人には、 このCDがお薦めだろう。 95/3/13 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕