はい、Cecil Taylor研究生のTFJです。Hat Hut 20th Anniversary企画第二弾。 Hat Hutから出たCecil Taylorの作品特集です。Cecil TaylorがHat Hutから作品を 出していたのは80年前後だけのようだが、hat ARTのカタログを見る限り4題が 出ている。それでは、録音年順に追っていこう。 Cecil Taylor "One Too Many Salty Swift And Not Goodbye" (Hat Hut / hat ART, 3011, '80, 3LP) - A,B,C,D,E,F)One Too May Salty Swift And Not Goodbye - Recorded live on 78/6/14 - Cecil Taylor (p), Jimmy Lyons (as), Raphe Malik (tp), Ramsay Ameen (vln), Sirone (b), Ronald Shannon Jackson (dr) これは、もともと、Hat Hutのナンバーシリーズ Cecil Taylor "One Too Many Salty Swift And Not Goodbye" (Hat Hut, HH3R02, 3LP) としてリリースされたもので、現在は、さらに追加曲を加えて2枚組CD Cecil Taylor "One Too Many Salty Swift" (Hat Hut / hat ART, CD2-6090, 2CD) となっている。僕はhat ARTの3枚組で持っているので、それをもとに。 当時のライブを忠実に収録したものとして評判が高いこの作品だが、最大の難点は 僕にとっては時間が長すぎること。LPを3枚聴き通すのに、2時間以上たっぷりかかる。 家では、2時間もステレオ・セットに向かえる時間がなかなかとれないうえ、2時間 集中し続けるのも僕にはかなり厳しい。(ライブと思えばそんな長いわけではない のだが。家の中では…。) 6人組のユニットで、けたたましさも格別。よく言えば テンション高い。 もちろん、こういったことの割には演奏はけっこう引き締まっているとは思う。 やはり、Ronald Shannon Jacksonの叩き出す縦ノリぽい所は好き。1時間くらいで ビシっとやってくれると聴きやすかったのに。 Cecil Taylor "It Is In The Brewing Luminous" (Hat Hut / hat ART, CD6012, '89, CD) - 1)It Is In The Brewing Luminous - Recorded live on 80/2/8,9 - Cecil Taylor (p), Jimmy Lyons (as), Ramsay Ameen (vln), Alan Silva (b,cello), Jerome Cooper (dr,african balaphone), Sunny Murray (dr) これは、もともと、Hat Hutのナンバーシリーズ Cecil Taylor "It Is In The Brewing Luminous" (Hat Hut, HH2R16, 2LP) としてリリースされたもの。ちょっと編集されていると思う。やはり6人組の ユニットだが、"One Too Many Solty Swift"より穏やかだと思う。悪く言えば ちょっとダレるのだが、1時間で終わるし。ヴァイオリンなどのストリングスの 音はこちらの方が目立つように思う。この音色が、僕は実は好きだったりする。 Cecil Taylor "The Eighth" (Hat Hut / hat ART, CD6036, '89, CD) - 1)Calling It The 8th 2)Calling It The 9th - Recorded live on 81/11/8 - Cecil Taylor (p), Jimmy Lyons (as), William Parker (b), Rashid Bakr (dr) これは、もともと、Hat Musicsの Cecil Taylor "Calling It The 8th" (Hat Hut / Hat Musics) としてリリースされたもの。カルテットという引き締まった編成でのビシと締った 約1時間。けたたましい、というより、とても格好良い。あまり無駄がないと思う。 この編成から楽器数が増えても、僕にはあまり変わらないと思う。ヴァイオリンが 入ったりすると、確かに音色の幅が増えるといえば増えるのだが。ドシャメシャの パターンはそう違わないのではないかな。Cecil Taylorのバンドの演奏としては、 僕は好きだ。 Cecil Taylor "Garden" (Hat Hut / hat ART, 1993/94, '82, 2LP) - A)Elell B)Garden II C1)Garden I 2)Stepping On Stars D1)Introducton To Z 2)Driver Says 3)Pemmican 4)Points - Recorded live on 81/11/16 - Cecil Taylor (p) アナログでは2枚組のセットだが、CDでは別々にリリースされている。 Cecil Taylor "Garden Part 1" (Hat Hut / hat ART, CD6050, CD) Cecil Taylor "Garden Part 2" (Hat Hut / hat ART, CD6051, CD) それもJAZZ SeriesではなくNOW Series扱いになっている。 確かに現代音楽だと言われてみればそう聞こえないでもない、奇麗なピアノソロだ。 もちろん、そうは言っても、Cecil Taylorならではのスウィング感もちゃんとある。 とても聴きやすいというか、おしゃれな印象を受ける作品だと思う。そこが好きな 理由なのだけれど。もちろん、ガンガン弾いているけれど、ソロということもあって、 ユニットにありがちなけたたましさはない。そういう所が好きな人には、ちょっと 物足りないかもしれない。 95/3/13 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕