Barbara Manning "Sings With The Original Artists" (Feel Good All Over, F7001, CD, '95) - 1)My 1st Gun 2)Gold Brick 3)When I Dream 4)Here Comes Love 5)Daddy Bully 6)Untitled #2 7)Optimism Is Its Own Reward 8)Martian Man 9)Big Eye 10)Cry Me A River 11) - Recorded in the summer of '93 - Produced by Stuart Moxham - Barbara Manning (vo,g), Stuart Moxham (g,vo,dr,perc,organ), John Langford (g,drum programming,synth), Andrew Moxham (dr,organ,g,b), Baron von Trumfio (double b,b,sitar), John Upchurch (bass cla,ss), Mike Hagler (p), Dave Crowford (muted tp, flugelhorn); J Niimi (g) on #5 米"Option"誌93年Nov/Dec号のStuart Moxhamの記事[1]で言及されていたBarbara ManningがStuart Moxham (ex-Young Marble Giants, The Gist)やJohn Langford (Mekons)などと作った作品が、それから1年半近く経ってやっとリリースされた。 配給網がCargoからBar/Noneに変わったこともあるのか、Cat.No.の付け方が変わり、 US盤ではCDのみのリリースだ。 同時にリリースされたSally Timms "To The Land Of Milk And Honey" (Feel Good All Over, F7002, CD, '95)とメンバーが重複する上、録音も同じスタジオなの だが、あまり同時に録音された感じではない。 いつものGreg Freeman (Pell Mell)の制作ではない上、全て他人の提供曲という こともあってか、あまりBarbara Manningらしくない作品。制作だけでなく、 ほとんどの曲をStuart Moxhamが提供している。1曲目のStuart Moxhamとの デュエットなどは、Stuart Moxham & The Original Artists "Signal Path" (Feel Good All Over, FGAO#15, CD, '93)に収録されてもおかしくないような 曲だ。歌い癖はいかにもBarbara Manningなのだが。Stuart Moxham & The Original Artists featuring Barbara Manningというか。Stuart Moxhamらしく ないThe Halo Bendersのような5曲目の"Daddy Bully"のような曲が、実は僕は 最も好きだったりするのだが。 そんな中で、"Gold Brick"と"Big Eye"の2曲はMekonsのJohn Langfordの曲で いかにもMekonsの曲という感じだ。それも、すかすかで明るいカントリー風の 曲が、80年代半ばのMekonsを思わせて、僕は大好きだ。Sally Timmsの作品も こういう曲にすれば良かったのに。特に、ちょっと高音の方でファニーな感じ (一瞬Cindi Lauperが頭をよぎった。)になるBarbara Manningの歌声が妙に 似合っている。Mekons featuring Barbara Manningのような作品をもっと聴いて みたくなってしまった。 8曲目の"Martian Man"はLora Logicのカバーというのもなかなか渋い。10曲目の "Cry Me A River"は、不安定な歌い方がかつてWeekend with Keith Tippett "Live At Ronnis Scotts'" (Rough Trade, '83)で歌うAlison Stattonを思い 出した。11曲目はブックレットに何も書いてないのだが、シークレットトラック なのだろうか。 というわけで、聴いていて妙に懐かしくなった、そんな作品だった。The San Francisco Sealsでのようなハッとさせるような一瞬が欲しいところだ。音処理 にしても、MekonsやThe Gistが導入していたようなレゲエ/ダブ的な処理だって できたのではないか、という気もする。けど、Stuart Moxhamが復活したばかり の'93年頃なら、こういうStuart Moxham節が聴けるだけでも、衝撃的だったかも。 今ではなく'93年に聴きたかった。 [1] Neil Strauss: The Invisible Man, Option, No.53, pp38-41, 1983. 95/4/18 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕