落穂拾いというより掘り出し物なのだが。最近、安く掘り出した音盤の紹介。 きっと中古などで安く叩き売られているだろうから、見つけたら買ってやって 下さい、というもの。 Essential Logic "Beat Rhythm News" (Rough Trade, ROUGH5, '79, LP) - A1)Quality Crayon Wax OK 2)The Order Form (I Want To Order A Pelican) 3)Shabby Abbott 4)World Friction B1)Wake Up 2)Alkaline Loaf In The Area 3)Collecting Dust 4)Popcorn Boy (Waddle Ya Do?) - Produced by Lora Logic + Hugh Jones 元X-Ray SpexのLora Logic率いるEssential Logicのアルバム。ギクシャクした リズム、ペラペラなサックスの音、そしてLoraのさえずり (warbling) から なる音。80年前後のThe Slits、Au Pairs、The Raincoats、Delta 5といった バンドとも共通する音である。当時、Loraは18歳だ。 Lora Logicの場合、さえずるような高い歌声はもちろん、サックスの音色が 他にはない個性になっていたと思う。 この作品の後、The Red Crayolaに参加したり、ソロ名義でLora Logic "Wonderful Offer" (Rough Trade, RT087, '81, 12"EP)を出したりしていたが、既に80年代 半ばには全くその名前をみかけなくなってしまった。 このレコードを聴いたら、Grail Marcusが当時にこのレコードについて書いた もの[1][2]を是非読んで欲しい。80年前後のポストパンクがどういう表現を 試みようとしていたか、考えさせられるものがある。 [1] Grail Marcus: Logic, in "Ranters & Crowd Pleasures", Anchor Books, 1994, pp.54-56. [2] グリール・マーカス: エセンシャル・ロジック, in "ロックの「新しい波」", 晶文社, 1984, pp.48-50 95/5/8 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕