掘り出し物シリーズ第二弾は、これ。 Bush Tetras "Too Many Creeps" (99, 99-02, '80, 7"EP) - A)Too Many Creeps B1)Snakes Crawl 2)You Taste Like The Tropics - Produced by Ed Bahlman, Donny Christensen 99はNew Yorkのポストパンク系の独立レーベル。ESGの"You're No Good"や "Moody"、Vivien Goldmanの"Dirty Washing"などを80年前後にリリースして いる。今でも配給を中心に活動しているようだ。このBush TetrasもESGと 同様に女性中心のグループである。実際は女性3人男性1人からなる。 Dan GrahamがAu Pairsと比較して論じている[1]ように、Au PairsやGang Of Fourにも通じる硬直したファンクだ。Athens, GAのPylonに似ている、と 言った方が適切か。歌詞も、Au PairsやGang Of Four程は直接的ではない ように思う。 Grail Marcusの評論を読んでいてもY Pantsといったバンドがでてくるし、 80年前後のNew York界隈のポストパンクのフェミニズム・バンドというのは、 長年の探求の対象なのだが。他にどんなバンドがいたのかもよくわからない うえに、わかっているバンドでもなかなか音盤を見つけることすらできない。 The SlitsやThe Raincoatsといったバンドに比べ、ESGやBush Tetrasは無名 ではあるが。Riot GrrrlsでThe RaincoatsやAu Pairsが再評価されてCD再発 まで行なわれたくらいだ。Bush Tetrasが再評価されてもいいように思うが…。 [1] Dan Graham: New Wave Rock and the Feminine, in "Rock My Religion, MIT Press, 1993, pp.116-137. 95/5/8 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕