おそらくリリースも2〜3年前と思われ、「何をいまさら」という人もいるかも
しれないが、面白かったので紹介したい。

ICP Orchestra
"Bospaadje Konijnehol I"
(ICP, ICP028, CD)
- Recorded in 90/11/12,13,16,22 91/2/22, 86/11/20
- Ab Baars (reeds), Han Bennink (perc), Ernst Glerum (cb),
Evert Hekkema (trp), Maartje ten Hoorn (v), Maurice Harsthuis (vla),
George Lewis (trb), Misha Mengelberg (pfte), Michael Moore (reeds),
Ernst Reijseger (vc), Walter Wierbos (trb)

ICP Orchestra
"Bospaadje Konijnehol II"
(ICP, ICP029, CD)
- Recorded in 90/11/12,14,16,21,30, 91/11/10, 91/2/22
- Ab Baars (reeds), Han Bennink (perc), Ernst Glerum (cb),
Evert Hekkema (trp), Maartje ten Hoorn (v), Trinstan Honsinger (vc),
Misha Mengelberg (pfte), Michael Moore (reeds), Ernst Reijseger (vc),
Walter Wierbos (trb)

90年11月にAmsterdam, Rotterdamなどで録音されたセッションを中心に編集
された2枚。録音日が同じものが両方にあるうえ、ほぼ同時にリリースされ、
表紙もほぼ同じ連作だが、2枚組ではない。

Iは"Bospaadje Konijnehol I", "Ellington Mix", "De Purperen Sofa"の3部
からなっており、"Ellington Mix"はDuke Ellingtonのナンバーをいろいろ
"Mix"して演奏している。僕でも聴き覚えのある旋律が出てくる。こういう試みを
見ると、Misha Mengelberg "Mix"の方もやはり何かあるような気がするのだが、
僕の貧弱な知識からはよくわからない。IIは"K-Strukken", "Tegenstroom",
"Epilog"の3部からなっている。

なんとも説明に窮するのだけれども、妙にズレた感じの作品だと思う。比較的
普通のメロディやリズムで演奏している所とそうでない所の落差が、攻撃的とか
シリアスというのとはちょっと違って、なんかウケ狙いというかボケていると
いうか、そんな印象を受ける。Clusone 3 (の3人もこのICP Orchestraに参加して
いるのだけど)の"Soft Lights And Sweet Music"が気にいっている人なら、気に
入る内容の作品ではないだろうか。


95/5/25
嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕