Various Artists "Going Global Series - Voila" (Barclay / Going Global Series, 527 392-2, '95, CD) - 1)Kebou (Khaled) 2)D'Abord D'Abord (Rachid Taha) 3)N'ssi N'ssi (Khaled) 4)Chebba (Khaled) 5)Time Fax (Sakan) 6)Voila Voila (Rachid Taha) 7)Bakala (Alex Maden) 8)Yeke Yeke (Mory Kante) 9)Indie (Rachid Taha) 10)Mogo Djolo (Mory Kante) '88年にヒットしたGuinea出身のMory Kanteの"Yeke Yeke"を、Germanyのtechnoの ユニットとして知られるHardfloorがリミックスしたものが、今年に入って話題を 集めた。Mory Kante "Yeke YekeはFranceのBarclayレーベルから出ているのだが、 そのBarclayから出ているKhaled、Rachid Taha、Mory Kanteの音源を主に用いて、 techno流にリミックスしたものを集めたCDが出ている。 Mory Kante "Yeke Yeke (Hardfloor Mix)"はGoing Global Seriesとしてリリース されたものだが、GGSというのは93年に始まったものらしい。実際に、そんなに 新しい試みではない。 Khaledは今までにもシングル"Didi"でBomb The BassやDimitriにリミックスして もらっている。Rachid Tahaの前作はSteve Hillage (System 7)の制作であり、 まさにこのCDでも聴かれるようなダンスフロア向けの音だった。実際、このCDは 今までのこのような試みの延長として制作されていると思う。 ライナーノーツに書かれているような「テクノは世界の共通語」だとは、この CDを聴いても思わないし、必ずしも全てが面白い演奏とは思えない。テクノと いうのはダブと同じで、素材が別にあってはじめて面白くなることが多いので、 そのような点からすると、僕が聴き慣れているKhaledやRachid Tahaの曲が リミックスされているというのは、それだけでも興味深いものがあったが。 ただ、「テクノとワールドポップの衝突」のような類のものではないとも思う。 このままでは様式の消費という感が強い。 なんて否定的なニュアンスで書いてしまったが、こういう音楽は遅かれ早かれ 出てくると思うし。こういうダンス音楽は「ちょっとやってみました」的軽さ も必要だと思う。(Cheb) Khaledの出自であるライ(rai)のいかがわしさ、 というのもそういう面もあったと思うし。 そんなに頻繁には聴かないと思うが、時々しゃれで聴いてみようかな、という 気にはなる作品。 95/5/29 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕