SST時代のPell Mellについて。単調な反復を用いたインストゥルメンタルの
ギターポップという音楽スタイルは基本的にかわらないのだが。

Pell Mell
"The Bumper Crop"
(SST, SSTCD158, '87, CD)
- 1)Week Of Fire 2)Dad's Top Drawer 3)All This And More 4)69 Or 20
5)Love Trek 6)Alligator Stomp 7)My Three Sons 8)Estacada 9)Cinecitta
10)FTB 11)Chroma-key Beach 12)Work, Health, & Love
- Recorded in '83/'84 in San Franscisco, CA except
#5,10-12 Recorded live in '84/'85 at various locations on the West Coast,
#6,7 Recorded in '81 in Seattle, WA
- Bill Owen, Bob Beerman, Greg Freeman, Steve Fisk

83年から84年にかけて録音され、"For Years We Stood Clearly As One Thing"
(K, Cassette)という90分テープとしてリリースされていたものの中から抜粋
した曲の、別バージョン集。

この時点で既に反復を基調としたインストゥルメンタルのギターポップという
様式は確立されている。ベースの入り方やシンセサイザーの使い方が80年代前半の
「ニューウェーブ」っぽさを感じさせるが。

これと同時に、Steve Fiskのソロも出ている。

Steve Fisk
"448 Deathless Days"
(SST, SSTCD159, '87, CD)

オープニングに「ふぁいと〜いっぱつ〜」という声がサンプリングされている
ことで知られているSteve Fiskのソロ。Steve FiskはPell Mellでもサンプラー
などを担当しており、それを全面に押し出した作品。しかし、ハウスやテクノの
ような音ではない。もっと安っぽい感じだ。

Pell Mell
"Rhyming Guitars"
(SST, SSTCD241, '90, CD)
- 1)New Saigon 2)Spy VS Spy 3)Par Avion 4)Red Rhythm 5)Week Of Corn
- Recorded in '80, Remixed in '88 by Pell Mell (Bob Beerman, Steve Fisk,
Greg Freeman, Bill Owen)
- Bob Beerman, Anri May, Bill Owen, Jon-Lars Sorenson

'82年にIndoorというレーベルからリリースされたアルバムをリミックスし
直して再発したもの。

録音時のメンバーにSteve Fiskがいないため、"The Bumper Crop"よりもギターが
全面に出た作品になっている。後半になると大幅にエディットされた所もあるが。
まさに「韻を踏んだギター」。Joy Division "Unknown Pleasure"で聴かれるような、
神経質な感じのギターの音色も良い。まだパンクからの距離の短さを感じさせる。
"Spy VS Spy"はPell Mellのベストの曲の一つだと僕は思う。

Pell Mell
"Flow"
(SST, SSTCD278, '91, CD)
- 1)American Eagle 2)Breach Of Promise 3)Bring On The China 4)The Devil
Bush 5)Smoke 6)Aera 7)Flood 8)Little Blue Dance 9)Signal 10)Blaming The
Messenger 11)Mapping Up
- Recorded in 91/1
- Robert Beerman (g,dr), Bill Owen (g), Greg Freeman (g,b), Steve
Fisk (p,sampler), David Spalding (g)

Pell Mell
"Bring On The China"
(SST, SST913, '91, 7")
- A)Bring On The China B)Smoke

91年のこのアルバムとシングルは、ギターの音色も太くなり、しっかりした
感じのインストゥルメンタルのギターポップ/ロックになっている。今の
Pell Mell "Interstate" (DGC, '95)と同じような音構成になっている。

95/5/30
嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕