Matthew Shipp Quartet "Critical Mass" (213CD, 213CD003, '95, CD) - 1)Critical Mass 2)Virgin Complex 3)Density And Eucharist - Recorded on 94/9/23 at Sorcerer Sound, New York, NY - Matthew Shipp (p), Mat Maneri (vln), William Parker (b), Whit Dickey (dr) David S. Ware QuartetでCecil Taylorばりのピアノを聴かせていたMatthew Shippの最新リーダー作は、以前のトリオにヴァイオリンを加えたカルテットだ。 David S. Ware QuartetからDavid S. Ware (sax)を抜いてMat Maneri (vln)を 加えた編成、ともいえる、お馴染みWilliam ParkerとWhit Dickeyのリズム隊だ。 ヴァイオリンが加わったことによって、以前のピアノトリオとは印象が大きく 変わった。ここでは、ヴァイオリンは主にサックスのような前面の役割を演じて いるように思う。といっても、ブラスやリーズと違って、ヴァイオリンの音は 非ジャズ的な意味合いも強く担っているような気もする。悪く言えば、時として 「現代音楽」っぽく聴こえる。David S. Ware Quartet "Cryptology" (Homestead, HMS220-2, '95, CD)が、「ジャズ」っぽく聴こえるのは、David S. Wareの サックスの音のせいだけではないとは、思うが。それ以外の理由については、 僕には言語化し難い。 と書くとけなしているようだが、この新作もとても気にいっている。Matthew ShippやDavid S. Wareの界隈は、これからも楽しみだ。 このCDをリリースしている、213CDというレーベルはパンクバンドRollins Bandの Henry Rollinsのレーベル。Henry RollinsやAlan Vega (ex- Suicide)の詩集を 出版している出版社2.13.61の音楽部門である。David S. Ware Quartet "Cryptology"が、ポストパンクの独立系レーベルHomesteadからのリリースと いい、この界隈のUSでのリリースは、ジャズ系のレーベルで取り上げられる ことは困難なのだろうか? 95/8/24 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕