The Ex & Guests "Instant" (Ex, EX063/064D, '95, 2CDs) - Recorded between 95/4-6, Produced by Dolf - The Ex [Terrie, Luc, Andy, Katrin, Han Buhrs, G. W. Sok], Ab Baars (sax), Wolter Wierbos (trombone), Han Bennink (dr), Tristan Honsinger (cello), Michael Vatcher (dr), Dolf The Ex + Tom Cora "Scrabbling At The Lock" (Ex, EX051CD, '91, CD)、 The Ex + Tom Cora "And The Weathermen Shrug Their Shoulder" (Ex, EX057CD, '93, CD)と、Tom Cora (cello)との共演作を2作続けて 出していた80年代初頭からAmsterdam, Hollandで活動するポストパンク ロックバンドの新作は、久々にAb Baars, Wolter Wierbos, Han Bennink, Tristan HonsingerらHollandの蒼々たるfree jazzの面々を迎え撃っての 即興大会だった。 ちなみに、The Ex "Joggers & Smoggers" (Ex, EX040/041D, '89, 2CDs) でもAb BaarsやWolter Wierbos、NYからはThurston MooreやLee Ranaldo といったSonic Youth勢を迎え撃って、一部で即興大会をしていたのだが。 そのときの雰囲気に近い。 あと、The Ex & Guests "BIMhuis 29/06/91" (Ex, 6.4, '91, 2x7")と いう2枚組シングルが出ていて、これは、このCDとほぼ同じメンバーの 演奏である。日本に入荷しないので直接とり寄せたら、ひどく反って しまっていて、ほとんど聴けない状態なのだが。 Tom Coraとの共演盤は、Catherine Jauniauxをゲスト女性ヴォーカルに 迎えて、celloの哀愁ただよう旋律もあってか、中欧のトラッドに影響を 受けた変拍子ポップ/ロック、という感じだった。しかし、この"Instant" は、全曲インストゥルメンタルであるためかポップ/ロック色がほとんど 感じられない。少々ノイジーな即興演奏が楽しめる。緊張感が良い。 しかし、この"Instant"という表題はInstant Composing (ICP, Instant Composers Poolのコンセプト)のInstantのことなのだろうか。 ちなみに、The Exは、今年にもう一枚The Ex "Mudbird Shivers" (Ex, EX060D, '95, CD)という作品も出している。まだ未聴なのだが、こちらは 歌物なのだろうか? The Exのようなポストパンクバンドと、フリーの人たちとの交流については、 John Corbett "Extended Play" (Duke University Press)という本に詳しい。 興味がある人は是非読んでみることをお薦めしたい。ちなみに、このCDの ライナーノーツもJohn Corbettが書いている。 95/12/4 $@EhED(J "Trout Fishing in Japan" $@>fM5(J