King Kong "Me Hungry" (Drag City, DC67CD, CD, '95) - Ethan Buckler (vo,g), Amy Greenwood (vo), Tod Hildreth (organ), Willy MacLean (b), Dave Pajo (dr) 二人の歌声が一つの歌の中で聴こえる、ということは一つの矛盾である。 たしかSlintのメンバーがらみのバンドである、Chicago界隈で活動する King Kongの新作では、ぶっきらぼうな男性の歌声と、時々舞い上がるが 概して淡々とした女性の歌声の、掛け合いする二つの歌声が聴こえる。 この2つの歌声は、別々の役割を受け持ちながら、絶妙な矛盾を生み 出している。 オルガンの響きも太いベースもファンキーだが簡素な背景に、あまり 旋律のないぶっきらぼうな男性の歌声は、曲の速さを除けば、かつての Minutemenを思い出せる所もある。 最近のUSの独立レーベルからのロックとしては渋めの秀作。お薦めしたい。 95/12/19 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕