Stuart Moxham "Fine Tuning" (Feel Good All Over, F7003, CD, '95) - 1)God Knows 2)Broken Heart Blues 3)When I Dream 4)Credit In The Straight World 5)Hanging On 6)Mutual Gaze 7)Oh Boy 8)Nita 9)Night By Night 10)This Is Love 11)I Wish 12)Final Day 13)One Of These Days - Recorded at Kingsize Sound Laboratories and at home - Stuart Moxham (vo,g) Acoustic Recordingsという副題が付けられたStuart Moxhamの新作は、 70年代末期のYoung Marble Giants時代から彼が書いてきた歌を、ギター 一本で歌ったもの。"One Of These Days"以外はオーヴァーダブもなし。 簡素だが薄っぺらく聴こえないのは、15年前に比べてはるかに録音器材が 安価で良くなったという証だろうか。 Stuart Moxhamは、Cardiff, Wales出身。80年前後に女性歌手Alison Statton を全面にYoung Marble Giantsとして活動。その当時の曲が、#4,8,12だ。 当時のぽこぽこいうリズムボックスの音がせず、女性の歌声ではないためか、 少々荒っぽく感じる。といっても"Final Day"の背景は当時を想起させるが。 Young Marble Giants解散後に結成したThe Gistの曲は#10のみ。 残りは90年代になって活動再開してからの曲だ。Barbara Manningに提供した 歌も含む。最後の一曲だけ未発表曲だ。 通して聴くと、とても感傷的だ。それは、単にアコースティックギターで 淡々とした歌声で弾き語っている、ということを指しているだけではない。 過去のYoung Marble Giantsの頃の曲を、その当時のYoung Marble Giantsや 例えばBen WattやTracey Thornといった人達の音楽が持っていた印象を こぎれいにまとめて、再び演奏している、ということもある。そして、 僕が80年にYoung Marble Giantsに求めていたのは、こういったこぎれいさ ではなかった。確かに、思い入れ深い曲も多いし、旋律も耳を捉えやすく、 歌声も渋い。しかし物足りない気分になってしまうのだ。 Feel Good All Overは、Bar/None配給の新シリーズになって以来これで 3枚目だが、回顧的なリリースばかりだと思う。Barbara Manning "Sings With The Original Artists" (Feel Good All Over, F7001, CD, '95) しかり、Sally Timms "The Land Of Milk And Honey" (Feel Good All Over, F7002, CD, '95)。かつてのような、もう少し意欲的なリリースをして 欲しい気もする。 95/12/19 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕