Christy Doran, Fredy Studer, Phil Minton, Django Bates, Amin Ali "Play The Music Of Jimi Hendrix" (Intuition, INT2134-2, '95, CD) - Produced by Christy Doran & Fredy Studer - Christy Doran (electric guiter), Fredy Studer (dr,perc), Phil Minton (vo), Django Bates (key,tenor horn), Amin Ali (electric bass) Marc Rappaortに話を聞いたり、95年6月に観たNiklaus Troxler展で彼らの Willisauでのライブのポスターを観て、是非聴いてみたいと思っていたこの CDをやっと入手した。予想を裏切らない作品だったので、紹介したい。 僕にとっては、Jimi Hendrixの曲は、彼自身による演奏よりも、様々な ミュージシャンによるカバーでの方が馴染み深い。特に、今年に入っての DefunktやJean=Paul Bourellyのカバー集など、気合いが入っていた。 この作品も、Ray Anderson, Han Benninkとのトリオの方で冴えた演奏を 聴かせるChristy Doranのギター、James Blood Ulmerでお馴染みの太いAmin Aliのベースや、オルガン風のDjango Batesのキーボードなどからなる、 気合いの入った演奏が聴かれる。 が、この作品が強烈なのはPhil Mintonの歌声。Leoなどに作品を出している 男声ヴォイス・パフォーマーだが。真面目に歌っているかのような所もない わけでないが、動物の鳴き声のような奇声になったりして、これが笑える。 彼の奇声のおかげで、全ての演奏が笑いへの落差をつけるために演奏して いるかのようだ。このような笑えるJimi Hendrixのカバーは、他にはThe Flying Lizardsによる"Purple Haze"くらいしか思い付かない。 10回も聴けば厭きそうな気もするが、ときどき思い出したようにCDの山から 発掘して聴いてはくすくす笑えそうな気がする。そんな作品。 95/12/25 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕