僕がThe Ganelin Trioで知られるGanelin, Tarasov, Chekasinを聴いたのは、 80年にLeoが第一弾レコードとして初めて西欧に紹介した'79年録音のライブ盤 "Catalogue" (Leo, CDLR102, CD)でだった。旧ソビエトのトリオでLeoやhat ARTからのCDを店頭で見かけたことがあった程度でごく普通のトリオだとばかり 僕は思っていたので、クインテットのような演奏がいきつけのジャズ喫茶で かかっているのを聴いて、隣にいたMark Rappaportに「誰がゲストですか?」と 尋ねてしまった。実際は、Vyacheslav Ganelinがピアノとバセットという ベース楽器を同時に、Vladimir Chekasinがサックス2本を同時に演奏していた のだが。三人でこの演奏かと思うと笑えるものがあるし、一度は生でこんな 演奏をしている所を観てみたいと思った。 70年代から80年代のソヴィエトMelodiaに残されたGanelin, Tarasov, Chekasin 関係のレコードが、Vilnius, Lithuania (リトアニアのビリニュス)のレーベル Sonoreから続々CD化されている。Lithuania盤など買うのは初めてだ。盤面に Manifacutured by UEP, Ekaterinburg, Russiaとあるのでロシア盤か。 Ganelin, Tarasov, Chekasin "Con Anima" (Sonore, SNO14CD, '77/'95, CD) - Recorded on 1977 at Vilnius - Vyacheslav Ganelin (piano,basset), Vladimir Tarasov (percussion,drums), Vladimir Chekasin (alto saxophone,clarinet,chalumean) '77年春にMelodiaからリリースされた彼らの1stのCD化。(正確にはこの1年前に、 Warsaw Jazz JamboreeでのライブがPolandでリリースされているらしいが。) The Ganelin Trio "Poco A Poco" (Leo, CDLR101, CD)が'78年の録音だから、 これよりも古い。2部構成41分余り構成されているが、実際のもっと細かく曲が 切れているように思う。手数というか音の多さはこの初期から確立されていた ことがわかるが、サックス2本同時吹きという技は聴きとれなかった。 Vladimir TarasovとLithuanian Art Orchestraの共演盤もSonoreからCD化されて おり、いきつけのジャズ喫茶で聴かせてもらったが、The Berlin Contemporary Jazz OrchestraやCecil Taylor European Ensembleのようなけたたましさが、 とてもかっこよい。残念ながら未入手なのだが。 このCDが是非とも欲しいのだが、SonoreのCDを数タイトル置いている新宿disc union 2Fの店員に尋ねた限り、入荷の予定はないとのこと。直接注文しかないの だろうか…。ちなにみ、東京近郊在住でない方のためにも連絡先を。 Sonore Records P.O. Box 105, Vilnius 2000, Lithuania 96/1/4 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕