70年代後半Black Ark時代のLee Perryを再発で聴くシリーズ、第10弾はこれ。 The Congos "Heart Of The Congos" (Blood and Fire, BAFCD009, '77/'95, 2 CD's) - CD1-1)Fisherman 2)Congoman 3)Open Up The Gate 4)Children Crying 5)La La Bam-Bam 6)Can't Come In 7)Sodom And Gomorrow 8)The Wrong Thing 9)Ark Of The Covenant 10)Solid Foundation 11)At The Feast 12)Nicodemus CD2-1)Congoman (12" mix) 2)Congoman Chant 3)Bring The Mackaback 4)Noah Sugar Pan 5)Solid Foundation (Disco Cork Mix) - Produced by The Congos and Lee Perry - Cedric Myton and Roy "Ashanti" Johnson 70年代後半のLee Perry制作らしいもこもこっとした深いエコーが気持ち良い 作品なのだが、同時期のLee Perry制作のThe Heptones "Party Time"やMax Romeo "War Ina Babylon"に比べても、歌声が背景の音空間に溶けこんだような 音処理をされて少々遠くに聴こえるように感じる。キャッチーなポップ歌が なくて、実験的な印象を受ける。Lee Perry "Roast Fish, Collie Weed & Corn Bread"やThe Upsetters "Return Of The Super Ape"のような作品に近い。 それが悪いというわけではなく、のんびりした高い歌声とはっきりしない 音像が緩いリズムに乗っているのが、なんとも気持ち良い。B.G.M.向きかも しれないが。 このCDの音源はオリジナルのBlack Ark盤を用いており、"At The Feast"と CD2の"Bring The Mackaback"、"Noah Sugar Pan"は盤起こしであるが、他は 1/4inchのマスターテープからデジタルにリマスターされたのこと。音はとても 良いと思う。既によく出回っているVP盤は、The English Beatのレーベル Go Feetから出たUK盤をジャケットに使っているが、ミックス違いかもしれない。 Blood and Fireの再発CDはボーナス盤付きの2枚組になっており、2枚目には シングルに収録されたミックスが収録されている。"Congoman (12" mix)"と "Congoman Chant"は、Island / Black Swanレーベルから出た12"シングルから。 "Bring The Mackaback"は"Fisherman"のダブでUpsetterレーベルの7"のB面から。 "Noah Sugar Pan"は"Ark Of The Covenant"のダブでBlack Artレーベルの7"の B面から。"Solid Foundation"は、Upsetterレーベルの12"から。これらのような なかなかみつけることもできないようなシングル曲を聴かれるのは嬉しい。 これは、'94年に活動を始めたManchesterのルーツ再発専門Blood and Fire レーベルの第9弾。ジャケットはオリジナルを用いず、Introによる凝った デサインのものになっているが、このThe Congosの場合CD 2枚組ということも あって、かなり凝った装丁だ。歌詞 (の一部) と、Steve Barrowによる非常に 詳しい解説が、Introならではのデザインの36頁のブックレットになっており、 それがCDを2枚納める厚紙製のケースと一緒に、CDケース大のハードカバーで 製本されている。こんな凝った装丁とボーナスCDは、もしかしたら初回限定 なのかもしれないが。 96/1/8 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕