Santic and Friends
"An Even Harder Shade Of Black"
(Pressure Sound, CDPS001, '95, CD)
- 1)Problems (Horace Andy) 2)Jah Guide (Big Joe) 3)Lovers Mood
(Augustus Pablo) 4)Chalice Blaze (Jah Woosh) 5)One Heavy Duba
(King Tubbys & Santic All Stars) 6)I'll Be Around (Gregory Isaacs)
7)Harder Shade Of Black (Augustus Pablo) 8)Better Shade Of Dub
(Santic All Stars) 9)Children Of Israel (Horace Andy) 10)Pablo In Dub
(Augustus Pablo) 11)Peace In The Valley (Roman Stewart) 12)Palace
Of Peace (Santic All Stars) 13)Yamaha Ride (I-Roy) 14)One Thousand
Swords (Augustus Pablo) 15)Free Jah Jah Children (Jah Woosh)
16)Blackman In Dub (Augustus Pablo & Paul Blackman)
- Produced by Leonard Anthony Chin, Engineered by Errol Thompson

'95年に活動を始めたOn-U傘下の再発専門レーベルPressure Soundからの再発で
なければ買ってみようとも思わなかっただろうこのCDで、制作者であるLeonard
A. ChinとそのレーベルSanticのことを初めて知った。Steve Barkerによる
詳しいライナーノーツは勉強になる。

このCDは"Harder Shade Of Black"というアルバムに6曲の追加したものとのこと。
70年に活動を始め、'75年にL. ChinがLondonに移りラバーズロックで成功する
前までのものであるから、70年代前半の録音だろう。

1曲目は'77年の名盤"In The Light"でも歌っているHorace Andy "Problem"。
"In The Light"ほど透明な音ではなくくぐもった感じがするのは、制作年の
違いのせいか。続いて、このトラックのDJ物、さらにダブと続く。ちなみに
Jah Woosh "Chalice Blaze"と、Augustus Pablo "Harder Shade Of Black"も、
続いてダブというかバージョンが続いている。中で最も気に入った歌はGregory
Isaacs "I'll Be Around"なのだが、このダブは飛んで14曲目Augustus Pablo
"One Thousand Swords"だ。

On-U傘下のPressure Soundということ、Errol Thompsonがエンジニアという
ことで、Joe Gibbsとの"African Dub"での過激なダブを一瞬予期したが、
特にぶっとんでいるわけでもなく、比較的ポップな感じの曲が並ぶ。Joe Gibbs
制作の一連の作品ほどポップではないが。

凄いと思うほどの曲はなかったが、ほんわかとした感じが楽しめた。初期の
ルーツならではなのだろうか。70年代後半のルーツはもっと暗いように思う。

96/1/8
嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕