Burning Spear "Social Living" (Blood and Fire, BAFCD004, '94, CD) - 1)Marcus Children Suffer 2)Come 3)Social Living 4)Marcus Say Jah No Dread 5)Marcus Senior 6)Nyah Keith 7)Institution 8)Mister Garvey 9)Civilise Reggae - Produced by Winston Rodney and Kerl Pitterson Studio One時代のBurning Spear "Fire Down Below"を聴いていて、Burning SpearことWinston Rodneyの良さは、このちょっと間の抜けたような感じの するほわんとした歌声ではないか、とふと思った。ラスタファリズム布教 マシーンを自称するDodneyだが、それがあまり嫌みに聞こえないのは、歌声に 救われている所があるのではないだろうか。 このIsland / Mangoに移籍して4枚目の'78年の作品でも、彼の歌声はStudio One時代や名盤"Marcus Garvey" (Island, '75)と変わらない。70年代後半に Islandに残した4枚のうち3枚(あとは、"Man In The Hill (Island, '76)と "Dry And Heavy" (Island, '77))は、Mango / Islandから再発されているが、 Jamaicaでは"Marcus Children"としてリリースされた"Social Living"は、 なぜかBlood and Fireから再発された。といっても、Island時代のレコード ジャケットだけでなく、近年のMangoからのレコード・ジャケットまで載せて いるところをみると、Islandと緊密な協力の下でリリースされたように思う。 '95年になってSteve BarrowのライナーノーツとIntroのデザインでの再発を Mango / Islandもするようになったが、そのきっかけとも言えるかもしれない。 Steve Barrowの詳しいライナーノーツも、4枚分まとめたような感まである。 制作とミックスを手懸けているKarl Pittersonといえば、Island時代のSteel Pulseを手懸けていた人だし、参加ミュージシャンにBrinsley Forde、Donald Griffith、Angus Gaye、George Oban、Courtney Hummingsという初期Aswadの メンバーが総参加している。そのせいか、初期UKレゲエとも共通する冷たさも あって、それが作品を引き締めているように思う。他にもSly and Robbieや Aston "Family Man" Barrettなど、参加ミュージシャンも豪華だ。 UKとJamaicaのレゲエの素晴らしい出会いの作品といえるかもしれない。 この再発で聴かれるようになって良かった。 96/1/16 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕