最近一部で話題のChicagoを拠点に活動するKen Vandermark。遅れ馳せながら聴いて みたのだけれども、これがいい。ぜひ紹介したい。 ライナーノーツなどによれば、Ken Vandermarkは85年からBostonで活動していたが、 89年にChicagoに移ってきたらしい。それ以来、Hal Russell, Damon Short, Anthony Braxtonと共演してきたらしい。Hal Russellの死後代わりにNRG Ensembleに参加、 他にも、Caffeine、The Waste King、The Unheard Music Quartetといったバンドを やっている。The Coctailsというバンドにもゲスト参加している。Head Examと いう月例のフリー即興のコンサートをChicagoのHot Houseでやっているらしい。 The Vandermark Quartet "Big Head Eddie" (Platypus, PP001, '93, CD) - 1)Kiss The Plow 2)Exploding Note Theory 3)Dog Cliches 4)Jack Kirby Was Ripped Off 5)Last Date 6)Blue Coffee 7)Ingrid's Napkin #29 8)Courtesy Desk 9)Sinner Sinner 10)Not Actual Size - Recorded 93/2/22&23 - Ken Vandermark (reeds), Todd Colburn (g), Kent Kessler (b), Michael Zerang (ds) 左のVandermarkのサックスと右のColburnのギターのユニゾンで勢いよく始まる 頭から、曲に引き込まれる。双方勝手に走りまわったり、一緒に襲いかかって きたり。フリーキーな演奏も実験的というよりももっとポップに聴こえるのは、 よくユニゾンで出てくるテーマが、ノリがよく愛敬あるものだからかもしれない。 特にアップテンポの"Kiss The Plow"と"Dog Cliches"が良い。ベースはHal Russell NRG EnsembleのメンバーKent Kessler。これでドラムがもっと強烈だったら面白い だろうとは思うが、そんなのも気にならないくらいだ。 The Vandermark Quartet "Solid Action" (Platypus, PP002, '94, CD) - Recorded 94/5/29&30 - Kent Kessler (b), Daniel Scanlan (vln,g,cornet), Ken Vandermark (ts,cl,bcl), Michael Zerang (ds) ギタリストが入れ代わっての2作目だが、テナー対ギターという色はあまり変化 していない。若干テーマのメロディからポップさがなくなって、勢いが弱まって いるが。2曲目や4曲目ではVandermarkのサックスがクラリネットになるし、 Scanlanのギターがコルネットになったりと、音色に幅を感じるが。リズム隊は こちらの方がいいと思う。が、1枚目にあった勢いとポップさが欲しいところだ。