Michael Giles, Jamie Huir, David Cunningham "Ghost Dance" (Piano, PIANO502, '95, CD) - Recorded on 83/5/3-6 Ken McMullenの映像作品"Ghost Dance"のために作られた音楽のCD化。録音が83年 と古いものだが、当時にリリースされていたものの再発ではないようだ。 The Flying LizardsのDavid Cunninghamがらみということで、The Lounge Lizards "Top Ten" (Statik, '85)を思わせる、簡素でギクシャクとしたパーカッションの 音 (まるでサンプリングのようだ) や打ち込みをおそらく即興的に構成した作品だ。 もちろん、映像の付随音楽ということで、The Flying Lizardsのような歌のある曲 ではなく、むしろ旋律を感じさせる要素は少ない。Crammed Discs傘下のMade To Measureレーベルからのような音だ。B.G.M.にしているとかなりはまるが、もっと "Screenwash"のようなファンク的な慣用句を援用したような曲がもっとあった方が、 もっと緊張感があって面白かったようのでは、とか、The Flying Lizardsのような ユーモアが欲しい、とか思ってしまうが、それは望み過ぎか。 David Cunninghamは80年前後にポストパンクなポップ曲解体プロジェクトである The Flying Lizardsを結成したことでよく知られている。Peter Greenawayなどの 映画の音楽で知られるMichael Nymanの音楽の制作などもしている。 残りの2人はほとんど知らないのだが。Jamie MuirはUKのフリー即興シーンで 時々名前をみかける打楽器奏者。60年代末にDerek Baileyや Gavin BryersとMIC (Music Improvisation Company)を結成。King Crimsonのドラマーをやっていた こともあった。 Ken McMullenやその映像作品"Ghost Dance"についてもよくわからないのだが、 裏表紙に使われているスチル写真から想像する限りでは、モノクロで撮影した 水しぶきの映像に彩色などの処理をおこなったもののようだ。ライナーノーツには Jacques Derridaも参加していたようである。 96/3/5 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕